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下記のわたしのメモは、私が主観的にピックアップしたものであって、著者が伝えたい意図をそのまま伝えているわけではありません。
私、というフィルターがかかったメモであることを、強調しておきます。
読書メモ
◆目の動きに関しては、意識的に注意を払わなくても、自動的にそれを見つけてくれるシステムがある。側頭葉の一部、上側頭溝と呼ばれる場所にある。
◆ミラーニューロンは、他社の行動意図の理解に関与している。
ボウルの中に入った果物に向かって手を伸ばすと、ミラーニューロンは働く。しかし、全く同じ行動をしても、ボウルのなかに果物が入っていないとわかっている場合には、ミラーニューロンは反応を示さない。つまり、行動の意図がないと、動かないのである。
◆我々は、複数の身体イメージを脳内に保持できる。しかも自由に切り替えることができる。例えば、シルクハットのような背の高い帽子をかぶってもぶつからない。スキーをしたり、ドライバーの工具を持っている時にも、その能力が発揮されている。
◆リスペクトの欠如が与える影響は短期間では出てこない。短期的な経済優先戦略は、余裕のないときの最適な戦略。何よりも経済的利益を確保することが、現代社会での幸せに直結すると考えてられているからだ。もちろん、金銭が保証してくれる快適さは明らかに存在する。それを否定する必要もない。我々はお金を払えばおいしいものを食べられるし、快適な住居も手に入れられる。しかし、他者との関係性が欠如すると、それは経済的成功では保証されない。そのため、リスペクトのない社会というのは、人々の心が荒廃していくのではないだろうか。ちょうど、乳児院の子供たちが他社との接触がないだけで、発達障害を起こし、ひどい場合には死んでしまったように。現在の日本の状況を見ると、それが、そのまま起きているのではないだろうか。
サルも余裕のないサルは、上位のサルに対する抑制も弱く、我先に餌を取ろうとする。これは人間も同じ。余裕のない人は他者へのリスペクトも少ない。我先にメリットを得ようとする。それはある意味では未熟な社会性である。
感想とメモ
◆人間は、「目」というものを見つけると、その動きを自動追尾する仕組みを持ってる。
つまり、誰かが目線を動かすと、それを見ている人は自動的に、それに意識が向いてしまうということ。もしそうならば、目のマークのPOPが貼られていると、自動的にそれを見つけてしまうということ。書店に「注目!」という文字と一緒に、目のイラストがあるのは正解ってことか。
◆身体イメージの拡張。
言語化できなかっただけで、元々、人間にそういう感覚があるのは無意識的にはわかっていた。だけど、「身体イメージの拡張」という名称を知ると、意識することが出来る。確かに、車の運転時にも、タイヤが路面の状態をひろう感じが伝わってくる気がしているのは、身体イメージが拡張されてるとも言える。でも、これって、どこまで拡張されるんだろう。
ANAのパイロットさんは、あんなおっきな飛行機でも、身体イメージが拡張されてるのかな・・・。
◆余裕があれば成熟した社会性が発揮される、ということは本当に言えるだろうか。
それは検証できないけれど。
でも、余裕がなく、我先に経済的利益を確保しようとする、他者へのリスペクトが少なくなっていく社会。日本の状況が、それに近づいていっている気がする。それも検証できないけれど。
検証は出来ないけれど、実感としてはある。