WEBマーケティングの基礎知識|分類・特徴・実践の流れ・参考本・メリットなど解説
2021/11/12
Webマーケティングを行う一番のメリットは何か!
何かを調べたい時に、「インターネットで調べる」というのは、ごく普通のことです。
また、何か欲しいものがある時にも、「インターネットで探す」のが、今の時代のスタンダードと言えます。
実際に、数字もそれを物語っています。
2021年段階で、自宅でインターネットを利用している世帯は8割を超えています。
また、ホームページを開設している企業は9割を超えています。
90年代には、ホームページを持つ企業は少数でした。
ところが、2000年代に入ると一気に増えて、ホームページを開設している企業は90.1%となっています。(参照:2020年の総務省調査結果:通信利用動向調査 世帯編・企業編
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html)
いまの時代、ソフトウェア技術や、通信技術、ハードウェア技術、どれも発展はめざましく、パソコンやスマホで接続される「インターネット」は生活のすみずみまで浸透していると言えます。
2020年8月には、こんなニュースが発表されて驚きました。
資生堂が2020年8月に行った業績発表の中で「2023年までに広告媒体費の90%以上をデジタルにシフトする」と発表。資生堂をはじめ大手化粧品会社はこれまでテレビCMをガンガン流してブランドイメージを作ってきましたが、それをインターネットを使ったデジタルにシフトしていくというのですから激変です。
(参照:https://www.irwebcasting.com/20200806/5/aa3167b53b/mov/main/index.html)
広告という一面で見ても、時代はWebへと大きな流れができていると言えるでしょう。
このような時代にあって、これからの企業活動はWebマーケティングを避けて通れません。
なぜなら、数多くの人々が、情報を探したり、欲しい物を探したりする時にインターネットを活用するからです。
ここが大事なところです。
誰もがアクセスしている場所で、自分の会社や商品のことを「お知らせ」することが出来るのです。
言い換えれば、Webマーケティングを行う一番のメリットは、見込み客にインターネットを通じてあなたのお店や商品・サービスを知ってもらえるということなのです。
逆に言えば、いかに素晴らしい商品・サービスであっても、その存在を顧客が知らなければ、顧客にとっては世の中に存在していないに等しいとも言えるのです。
ぜひ、この記事をお読みいただき、Webマーケティングを知って、少しでも業績アップにお役立ていただければと思います。
なお、Webマーケティングには「デジタルマーケティング」や「コンテンツマーケティング」など専門用語がいろいろあり、とっつきにくい印象があるかもしれません。
そこで、この記事では大事な用語についてもわかりやすく解説していきますので、気軽に読み進めてください。
目次
そもそも、Webマーケティングとは?何か?
そもそも、Webマーケティングとは何なのでしょうか。
ひとことで言うと、「自社のWebサイトを見てくれる人や、見てくれる回数を増やし、問い合わせの件数や、商品・サービスを買ってくれる人を増やすための活動のこと」です。
商品・サービスが売れるしくみを作ること全般を「マーケティング」と言いますが、それをWeb上で行うものがWebマーケティングです。
Webマーケティングは、大きく、3種類の施策に分けることができます。
1)Webサイトを訪れる人数(アクセス数)を増やす施策
Webサイトを作っただけでは、誰も見てはくれません。
Googleで検索してWebサイトに訪問してくれる人、広告をクリックして訪問してくれる人、Youtubeの概要欄に書かれたWebサイトへのURLリンクをクリックして訪問してくれる人・・・など、あらゆるルートからWebサイトに人が訪問してくれます。その【Webサイトへの訪問数=アクセス数を増やす】という施策です。
2)コンバージョンを増やす施策
そのWebサイトが目的としている成果を獲得することを「コンバージョン」と言います。具体的に例を挙げると、アクセスしてくれた見込み客が商品購入や予約・資料請求・LINEのお友達登録・地図印刷など何らかのアクションを起こしてくれる事をいいます。
例えば、通販会社のWebサイトであれば、「トライアル商品の申し込み=コンバージョン」となり、そうしたコンバージョン数を増やすということです。
3)一度サイトを訪問してくれたお客さんに、再接触、定期接触をしていくための施策
再接触や定期接触というのは、例えば、メールマガジンを定期配信して、読者との定期接触をすることが挙げられます。
その他にも、LINEビジネスを活用したコミュニケーションなどもあります。
Webマーケティングとは何か、についてはご理解頂けたと思うのですが、他の用語との違いについてもお話ししましょう。
Webマーケティングと、「マーケティング」や「デジタルマーケティング」との違いは?
一般的な「マーケティング」や「デジタルマーケティング」と「Webマーケティング」は、なにが違うのでしょうか?
それは、その用語がカバーしている範囲の広さが違うと考えると良いでしょう。
「マーケティング」は、インターネットに限らず、新聞折込チラシなどのアナログ手法を含め、商品・サービスを売る仕組み全般のことです。
「デジタルマーケティング」はインターネットやIT技術など、デジタル技術を活用したマーケティングのことを言います(「デジマ」と略されることもある)。
「Webマーケティング」はデジタルマーケティングの中でも、Webに特化したマーケティングということになります。
用語がカバーしている範囲の広さで並べてみると・・・、
マーケティング > デジタルマーケティング > Webマーケティング
こうなります。
ただし、デジタルマーケティングとWebマーケティングの境界線はあいまいで、混同して使っていることもよくあります。
デジタルマーケティングと言えば、「ビッグデータの活用」と言われる事も多いですが、実際にはよくわからないし、イメージも湧きません。
例えば、『電気自動車の走行軌跡データを収集して、地図上のどの場所で、どのような業種の広告をナビゲーションシステムに出すか?の判断に役立てる』としたら、それはWebマーケティングとは言わず、デジタルマーケティングと言われるでしょう。
そうなると、中小企業にとってみれば、「Webマーケティング」をしっかり実践すればじゅうぶんだと考えられます。
Webマーケティングの メリット と デメリット
Webマーケティングを行うメリットとして「見込み客にインターネットを通じてあなたのお店や商品・サービスを知ってもらえる」という話はしました。
では、ここでWebマーケティングのメリットだけでなく、デメリットを整理しておきたいと思います。
Webマーケティングのメリット
- 低コストから始められる。
インターネット広告はマス広告(テレビCM、新聞広告など)に比べて低コストでできます。ホームページ制作や運用も、知識があれば限りなくゼロに近いコストにおさえることも可能です。
- スピーディーに情報を配信できる
Web上での情報配信はスピーディーに行うことができます。設定さえ終えていれば、広告も、1時間以内には、すぐに出すことができます。一方で、紙の折込チラシを配布しようとすれば、デザインから印刷、折込集配店への配達、そして実際の折込当日と、ざっと2週間はかかります。
- 修正が簡単
Web上のコンテンツの編集は簡単で、すぐに反映されるので修正もラクです。
- PDCAサイクルを回せる
アクセス解析データや広告の効果を検証し、改善することによって最適化していくことができます。ところが、アナログではそうはいきません。例えば道路看板の広告などは、広告の効果計測は難しく、なかなか最適化することは簡単ではありません。
- 幅広いエリアのユーザーにアプローチできる
地域を限定せず、幅広いユーザーに知ってもらうことができます。世界中にメッセージを伝えることも、それほど高いハードルがあるわけではないのです。
- 細かいターゲティングができる
地域、年齢、性別、言語などの属性や興味関心などのデータに基づいて、ターゲットを細かく設定することも可能です。
Webマーケティングのデメリット
- 商品・サービスの価値を伝えるのが難しいことがある
例えば質感や匂いなどを確認したいと思っても、実物を見せることができない、直接会ってやりとりできない段階では、価値を伝える工夫が必要になります。
- 知識やスキルが必要
Webマーケティングそのものや、各ツールについての知識やスキルが必要です。
Webマーケティングは年々複雑化しており、やはり全く勉強せずに、知識ゼロではなかなか効果を出せそうにありません。やはり、Webマーケティングには、それなりの勉強や努力、スキルなどはどうしても必要です。
- トレンド、最新の情報を把握する必要がある
Webマーケティングのツールが次々に出たりアップデートされたりなど、トレンドの変化も速いので、情報に敏感である必要があります。
昨年効果のあった広告でも、今年になったら反響がガタガタに落ちるということは、珍しくはありません。
◆それでも、Webマーケティングが重要である背景
Webマーケティングには、上記のようなデメリットもあります。しかし、それでも重要です。
2019年の個人の年齢階層別インターネット利用状況は、13歳~69歳までの各階層で90%を超えており、60代以上もインターネットを利用する人が増えている状況です
(参考:総務省の通信利用動向調査 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html)
また、すでにお伝えしたように、いまはスマホの普及率が高く、世帯で言えば約86%がスマホを保有しています。
こうしたスマホの普及に伴って、EC(電子商取引、インターネットショッピング)市場は大きく伸びています。15年ほど前、iPhoneが登場する以前はネットショッピングといえばPCで行うものでした。
家にいながらほしいものが買えるネットショッピングは便利であるものの、その頃はまだユーザーも販売者も限定的でした。
しかし、スマホが普及し、手のひらの中で手軽にポチっと購入できるようになると、どんどん広がっていきました。
2020年の日本国内EC市場規模は、BtoC(一般消費者向け)が19.3兆円。
BtoB(企業向け)が334.9兆円。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響で、とくに旅行サービスが縮小したため、前年より若干規模が縮小(ほぼ横ばい)していますが、全体的には年々拡大傾向にあります。
(参考:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210730010/20210730010.html)
また、通信技術の発達により、インターネット環境が非常に良くなっているのもWebマーケティングが重要である背景の一つです。
5Gとは「第5世代移動通信システム」のことで、より大量のデータを高速に送信できる、新しい通信規格です。容量の大きな動画をダウンロードするのも速くなり、通信の遅延がごく小さくなり、より多くの機器を同時にネットワークに接続することができます。
日本では2020年からサービスがスタートしており、5Gの普及によって、これまで以上にインターネットが生活に入り込んでいくと言われています。
さらにさらに、スマホやタブレット、PC本体の性能もアップしていて、手軽に写真や動画を加工したり、配信も出来ます。つまり、コンテンツの表現がずっと豊かになってきているのです。
◆Webマーケティングの歴史を知って、未来につなげる
このように、Webマーケティングはインターネットの普及・発展とともに進化してきました。
今後のWebマーケティングの大きなトレンドをつかむためにも、これまでの歴史をざっと振り返っておきましょう。
- インターネットの起源~商用利用スタート
インターネットの起源としては、1969年のアメリカで軍事目的で開始したARPA(Advanced Research Project Agency)netであるとされます。その後、政府や大学の研究用ネットワークとして利用されましたが、商用利用が可能になったのは1990年代に入ってからです。日本では1993年にインターネットの商用利用が許可されました。
- 検索エンジンの登場~バナー広告
1995年にヤフー・コーポレーションが設立され、本格的にYahoo!サービスがスタートします。
Googleが登場したのは、ヤフー登場の3年後、1998年です。
1996年にはヤフー・コーポレーションとソフトバンク株式会社が共同でヤフー株式会社を設立し、「バナー広告」のサービスを開始します。
バナー広告とは、Yahoo!などアクセスの多いWebサイトに広告画像を表示させて、知名度を広めたり、クリックして自社サイトに誘導するための広告です。
- アフィリエイト広告開始
日本でバナー広告が登場したのと同じ1996年、アメリカのアマゾンドットコムがアフィリエイトプログラムをスタートさせました。
アフィリエイト広告とは、ユーザーが自身のサイトなどに商品を紹介し、その紹介リンクがクリックされて、実際に商品が売れれば、紹介者に報酬が支払われる仕組みの広告のことです。
- リスティング広告、SEOの台頭
インターネット検索が定着していく中で、検索キーワードに連動させた広告が生まれます。
2002年に検索連動型の「リスティング広告」が誕生しました。(Google、Yahoo!がサービスを開始。)
また、Webサイトが増え、検索結果の上位に表示させることが重要となりました。検索結果に上位表示させる施策をSEOと言います。
- ブログとSNSの浸透
2000年代になって、ブログサービスを使って個人が簡単に情報発信できるようになりました。ライブドアブログは2003年、アメーバブログは2004年にサービスを開始しています。
2004年にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のmixiがサービスを開始し、2008年頃からFacebookも日本でのユーザーが増え始めました。
こういったことから、Web上でのクチコミやSNSを使ったマーケティングの土台が築かれていきました。
- コンテンツマーケティングの流行
2010年頃から新しいWebマーケティングとして言われるようになったのは「コンテンツマーケティング」です。見込み客に対して価値のあるコンテンツを作成・提供し、購買やファン化につなげていくマーケティング施策のことです。
いよいよ、Webマーケティングの進め方
Webマーケティングの周辺知識が深まると、どのように使いこなしていけば良いかのヒントになると思います。
さて、いよいよ、ここからはWebマーケティングの進め方です。
では、Webマーケティングを進めるにあたって、まずは実務上の基礎をおさえ、流れを確認しておきましょう。
○Webマーケティングの前提知識(原則)を知る
- Webマーケティングは、万人向けに行うと多くの場合は失敗しています。万人がクリックしてくれるコンテンツなどありえません。ターゲットは明確にしておく事が大事です。
- Webマーケティングでは、ライバルとの違い・差別化ポイント・独自性・強みなどが曖昧な場合も、あまりうまくいきません。成功しているサイトや広告をマネして作っても、自社の強みとマッチしていなければうまくいかず、逆に評判を落とすことになります。自社の持ち味をしっかり理解して進めましょう。
- Webマーケティングでは基本的にアクセス数を奪い合うようなかたちになります。自社サイトのアクセス数を増やせば、他社のアクセス数が減ることになると言う意味です。つまり、インターネット利用者人工の総量は変わりません。だから、自社がアクセス数を増やせば、誰かのアクセス数は減っているのです。
Webマーケティング実践の流れ
実際には、次のような流れで運用していきます。
1.ターゲットを明確にし、集客(アクセスアップ)手法を組み立てる。
・ひとまず最低予算で実践してみる。
・広告の表示回数、クリック数、アクセス数、コンバージョン数などを計測。
・プロセス全体のなかの、どの「部分」でうまく行ってないか?を探し、改善していく。
・目標数値が明確化される。PDCAを回していく。
◆Webマーケティングの集客施策(アクセスアップの施策)
Webマーケティングの集客施策にはさまざまなものがあります。
代表的なものを簡単に解説していきましょう。
ツールによって、集客だけではなく見込み客への再アプローチ、コミュニケーションに使えるものまであります。マーケティングの戦略の中で、どの部分に何を使うのがいいか考えて最適な方法を見つけていきます。
- SEO
日本語では「検索エンジン最適化」。ユーザーがGoogleやYahoo!などで検索をしたときの結果に、上位表示させる施策。
質の高いコンテンツを継続的に発信することで、検索結果の上位に表示し、検索から集客する施策を「コンテンツSEO」と呼んだりします。
- LINE広告
幅広いユーザーが日常的に利用しているLINEを使ったマーケティング集客(アクセスアップ)施策。主に、法人が活用するのはLINEビジネスというサービスで、顧客とのコミュニケーション用途で活用されることが多いようです。
しかし、実はLINE広告を活用すると、コストパフォーマンス良く集客(アクセス数アップ)することが出来ています。
- SNS各種
Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSを活用して、Webサイトへのアクセスを増やしたり、見込み客とのコミュニケーションを行ったりします。それぞれのSNSのユーザー属性に合わせて、広告を出稿するのも有効です。
- YouTube
YouTubeに動画コンテンツをアップし、そこから集客します。人気のあるチャンネルや関連性の高い動画に広告を出す手法もあります。
- アフィリエイト
ユーザーが自身のサイトなどに商品を紹介し、その紹介リンクから商品が売れれば、紹介者に報酬が支払われる仕組みの広告を使って、アクセスアップや売上アップにつなげます。
- リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索したときに、キーワードに関連して表示されるテキスト形式の広告のことです。「検索連動型広告」とも呼びます。
- ディスプレイ広告
情報サイトなどの広告枠に、そのコンテンツに関連して表示するテキスト形式やバナー形式、動画などの広告のことです。「コンテンツ連動型広告」とも呼びます。
- データフィード広告(ショッピング広告)
商品情報を「データフィード」という仕組みで、複数の広告配信媒体に合わせたフォーマットに変換して表示する広告のこと。検索をしたとき、検索結果のページに商品画像が並んでいるのがデータフィード広告で、クリックすれば販売ページに飛びます。Googleでは「ショッピング広告」と呼んでいます。
- メールマガジン(メルマガ)
以前は、メールマガジンそのものが見込み客を集めるネタとなっていました。「面白そうなメールマガジン無いかな」と顧客が探していた時代があったのです。
しかし、現在ではメールマガジンは、見込み客を探してくるツールではなく、見込み客とのコミュニケーションツールとして活用するのが一般的なようです。
- リターゲティング広告(リマーケティング広告)
一度サイトを訪れた人に対して再アプローチする広告のやり方。サイトにリターゲティング用のタグを入れておき、ユーザーにCookie(一時的にデータを保存しておく仕組み)を付与し、それに基づいて他のサイトでも広告を表示できます。
◆Webマーケティングでよく使われる広告の種類一覧とシンプル解説。
「Webマーケティングの集客施策(アクセスアップの施策)」として、リスティング広告、ディスプレイ広告、データフィード広告、リターゲティング広告を紹介しました。それ以外にもインターネット広告には専門用語がいろいろあり、混乱することもあると思います。ここで少し整理しておきましょう。
- PPC広告/CPM広告
PPCとはPay Per Clickの略称で、クリックされる度に広告費が発生する仕組みの広告のことです。どれだけ広告が表示されても、1回もクリックされなければ費用はゼロ、発生せず、クリックされた時だけ費用が発生しますから、とても利用しやすい広告と言えます。
リスティング広告、ディスプレイ広告(後述)というのは、クリックごとに課金されるので、PPC広告の一種です。
一方、CPMという言葉もあります。CPMはCost Per Mille、つまり「1000回表示されるごとにコストが発生する」という意味で、クリックされるかどうかに関係なく表示回数に応じて費用が発生する広告です。「インプレッション広告」とも言われます。Webマーケティングで「インプレッション数」は「表示回数」のことですので、覚えておきましょう。
- 検索連動型広告/コンテンツ連動型広告
クリックされる度に課金されるPPC広告の中に、リスティング広告というのがあります。このリスティング広告は、さらに細分化され、「検索連動型リスティング広告」と「コンテンツ連動型リスティング広告」に分かれます。
検索連動型広告は、ユーザーが「知りたい」と思って検索をしているキーワードに対し、検索結果が表示される画面上に、広告が表示されます。
コンテンツ連動型広告は、ユーザーが見ているニュースサイトやブログなどの横に、広告が掲載されていたりしますが、それです。閲覧されているコンテンツと関連性のある広告を表示するものです。車のニュース記事を読んでいる人に、車の広告が掲載されたりするものです。キーワード検索をしているときと比べ、能動的に情報をとりたいわけではないため、潜在的なニーズにアプローチするような手法となります。
◆Webマーケティングのコンバージョン施策はどうするか?
Webサイトが目的としている成果を獲得することが「コンバージョン」です。
例えば、商品購入や予約、資料請求、LINEのお友達登録、問い合わせメールなどがそれです。アクセス数が多くても、コンバージョンにつながらなければ意味がありません。Webマーケティングではコンバージョンをアップさせるための施策も非常に重要になります。
アクセスが多くてもコンバージョンにつながらない場合、サイトの改善を行います。
その時によく出てくる言葉として、「直帰率」「離脱率」という言葉があります。
「直帰率」とは、サイトを訪問した人のうち、1ページしか見ないでサイトから出て行った人の率をあらわしたものです。すぐに立ち去ってしまうということは、ユーザーのアクセス意図とページとにギャップがあったのかもしれません。1ページ目で、商品やサービスの魅力を伝えられていないことも考えられます。
「離脱率」とは、どのページで離脱したのかを、ページ毎に算出したものです。
Webサイトを閲覧してくれた人が、問合せ入力ページで全員離脱していたら、問合せ入力ページの離脱率が100%ということです。どのページを改善すべきかの目安などに使われます。
このように、数値を見ながら仮説を立て、改善していくことが大事です。
コンバージョンアップに役立つのは、何か?ここでは2つのコツをご紹介します。
1)ファーストビューで魅力を伝える
「ファーストビュー」とは、ユーザーがサイトにたどりついたときに最初に目に入ってくる画面のことです。マウスを動かしたり、スクロールしたりせずに見えている画面です。この部分に力を入れましょう。文章と写真で、商品の持ち味がしっかり表現し、「期待できそう!」という気持ちになってもらわなければなりません。
2)ユーザーがサイトを訪れた意図に沿う
検索で訪れたにしろ、広告をクリックして訪れたにしろ、ユーザーには「このサイトを見てみたい」と思った意図があるはずです。その意図に沿ったページになっていなければ、「あれ、違った」とすぐに去ることになるでしょう。
また、サイトに載せている情報は、「ユーザーが知りたい順に並んでいる」ことも重要です。ユーザーの心理に沿ってスムーズに読めるページになっているかを意識して改善していきます。
◆おすすめのWebマーケティング解説本
こうしたWebマーケティング初心者にとってわかりやすく、役立つおすすめ本を3冊紹介します。まずはこの3冊を手元に置きながら実践するのもいいのではないでしょうか。
・『デジタルマーケティングの定石~なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?』垣内勇威/著 日本実業出版社
デジタル活用の目的、デジタルの強みと弱みを整理しつつ、効果の出る「定石」を解説しています。あくまでも顧客中心に考えつつ、最短で成果を出す施策ということで参考になることが多いでしょう。
・『沈黙のWebマーケティング —Webマーケッター ボーンの逆襲—アップデート・エディション』松尾茂起/著 上野高史/イラスト エムディエヌコーポレーショ
Webマーケティングの考え方とノウハウを、初心者向けにマンガ風ストーリーで読めるようにしています。2015年に出版され、好評だった本のアップデート版です。楽しくサクサク読めるので、マーケティングの用語や数字に苦手意識のある人にもおすすめです。
・『ネットに詳しいだけでネットマーケ担当者になってしまった人が本気でマーケターを目指す本』佐藤昌弘/著 フォレスト出版
初心者向けにわかりやすくWebマーケティングについて語りながら、マーケティングの本質を学べる本として書きました。手前味噌ですいません。事例が豊富で、実際のインターネット広告やWebサイトを誌上コンサルしているので、知識をより具体的に落とし込めると思います。
◆Webマーケティングに役立つツール紹介
Webマーケティングを実践していくうえで、役立つツールをご紹介します。
1)アクセス解析ツール:Googleアナリティクス
アクセス解析ツールは必須です。Webサイトに入れることで、アクセス数、コンバージョン数、ページの直帰率、離脱率などがわかります。Webマーケティングはこういったデータをもとに行っていきます。
最もメジャーで、定番のアクセス解析ツールはGoogleアナリティクスです。無料で導入できますので、まずはGoogleアナリティクスを活用しましょう。
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
2)SEOツール:Googleキーワードプランナー
Googleが提供する、キーワード選定ツールです。Google広告内に用意されている無料ツールで、特定のキーワードの検索ボリュームや広告出稿した際の入札単価などがわかるようになっています。Googleの広告を出すことが前提のサービスですが、コンテンツ作成時のキーワード選びにも役立ちます。いずれ広告も出してみたいと思うなら、Google広告のアカウントをとって、このツールを使えるようにしておいてソンはありません。
https://support.google.com/google-ads/answer/7337243?hl=ja
3)競合分析ツール:Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
自分に所有権のないサイトのURLを入れて、アクセス情報を見ることができるツールです。そのサイトに自然検索で流入しているアクセスボリュームや、どのようなキーワードで検索されているかなどがわかります。競合サイトがどんなキーワードでユーザーを獲得しているかがわかれば、対策も立てやすいというもの。有料版もありますが、無料で使うこともできます。
また、調べたいキーワードを入力すれば、検索ボリュームやそのキーワードに関連したキーワード候補、検索結果に上位表示する難易度などもわかります。
https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/
◆おわりに「まずはやってみよう!」
いかがでしたか?
Webマーケティングについて、できるだけわかりやすく、基礎的なところを全部解説してみました。
繰り返しになりますが、Webマーケティングの最大のメリットは、見込み客がインターネットを通じてあなたの会社やお店、商品を知ることができるようになることです。
これだけインターネットが生活に入り込んでおり、スマホで検索するのがスタンダードな時代に、「Webマーケティングやっていません」では本当にもったいない!
ただ、多くの企業にとって最大の壁は、インターネット活用の計画をすることだと言われています。
全体的な計画をしっかり立ててから……というのもわかりますが、「やってみなければわからない」のも本当です。
このページだけに限らず、様々なサイトや、ビジネス書を片手に、小さな実験からしてみてください。
小さなスタートを切ることは難しくありません。
最初の一歩を踏み出すことで、どんどん学んだ知識・ノウハウも身に付きます。
Webマーケティングは、まずはやってみよう!の精神が大事なのです。
【執筆者:株式会社マーケティング・トルネード 代表取締役 佐藤昌弘】
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