アリジゴク先生のマーケティング基本レッスン 1限目
2017/10/26
世界No1のマーケティング専門家は誰か?
この連載を読んでいる読者の皆さん、著者の佐藤昌弘です。
私は株式会社マーケティング・トルネードの代表取締役であり、その仕事は、「マーケティング・コンサルタント」です。
この連載では、「お客さまを集めること」について、やさしく、わかりやすく、おもしろく書きたいと思っています。
ところで、「わかりやすい」って何でしょうか?
それを考えさせられるきっかけがありました。
長い間この仕事をやっていますが、この前、初めて近所の小学生からこんな質問をされたのです。
「おじさんって、何やっているの?」
「えっ、わたしの仕事?……」
どうやら、私は無職だと思われていたようなのです。
おそらく、会社にも行かず、スーツも着ることなく、昼間から、自宅にいることも多かったからでしょうか。
「おじさんの仕事はね、マーケティング・コンサルタントだよ」
そう答えようかとも思いましたが、それでは意味もわからないだろうと思った私は、「経営コンサルタントだよ」と答えてみました。
しかし予想どおり、小学生は、「それって、なに?」とポカーンって感じです。
説明の難しさを痛感しました。
カタカナの職業を小学生にわかりやすく説明するということが、なんと難しいものか……。
そこで私は、苦しまぎれに、「コンサルタントとは、『仕事の先生』だよ」と、説明してみることにしたのです。
「学校の先生には、理科の先生、社会の先生、国語の先生、算数の先生がいるよね?
同じように、仕事にも先生がいるんだよ。
・お客さまを集める先生
・売るための商品を上手につくる先生
・稼いだお金の計算をする先生
・法律の先生
仕事にも、いろいろな先生がいるんだ。その中で、ぼくは、
『お客さまをたくさん連れてくるには、どうすればいいか』を教える先生なんだよ」
その小学生は「ふーん」と、納得半分、疑問半分の返事をしてくれました。
この出来事は、「わかりやすさとは何か?」ということを考える良いキッカケになってくれました。
そもそも「言葉」とは、何かを説明するためのメタファー(暗喩)です。
だからもし、何かを正確に、過不足なく伝えたいのならば、専門用語を使って説明するのが一番てっとり早い方法です。それが一番、文字数も少なくなります。
でも、それでは、とても難しい文章になってしまう。小学生には理解できません。
簡単なことを難しく表現するのは誰にでもできます。しかし、難しいことをわかりやすく表現するのはとても大変なのです。
私の仕事は「経営コンサルティング」ですが、職業は「経営コンサルタント」です。おもにマーケティング分野を中心に、クライアントさんに対してコンサルティングをするのが仕事です。
こう書くと比較的コンパクトな表現になるのですが、小学生に理解できるはずもありません。
私は、マーケティングの専門家として、マーケティングの世界を最もわかりやすく世の中に説明したいと思います。そして、マーケティングという仕事を通じて、たくさんの人々に幸せになってほしいと願っています。
しかし、いったいどうしたら、小学生にもわかるように伝えられるのだろう?
そこで、私が考えたのが、マーケティングを例え話にすることでした。
動物の先生に登場してもらって、マーケティングの話をしてもらったら、子どもにも大人にも理解しやすくなることに気付いたのです。
この連載は、世界で始めて(だと思う…)「動物がお客さまの集め方を教える」連載です。
私は今まで、7000件以上もの、「儲からない会社」を「儲かる会社」に変える手伝いをしてきました。しかし、今でもクライアントさんに教えられることが多くて、日々学ぶことばかりです。
それでも人間界の中では、「お客さまをたくさん集めることのできる専門家」としてある程度、知名度も高くなってきました。
ところが、そんなプロの私でも「この先生にはかなわないな」と降参する方々がいます。
その先生こそが、虫や動物なのです。
虫や動物は、「生き残る」ために何億年もかけて進化してきました。
生物学の世界で「生き残る」とは、「エサを捕る」ということでもあります。
虫や動物は、生きるために、エサを探し、捕まえて、食べます。
ビジネスも、生きるために、顧客を探し、セールスし、売ります。
そして、虫や動物が編み出した、命をかけた捕食戦略は、誰もが舌を巻くほどの完成度です。
人間はまるでかないません。
これから、私が「すごいな」と思う先生たちを紹介していこうと思います。
今日は、タイプ別に4つの分野で、世界一のマーケッターを連れて来ました。
人間は誰もかなわないスーパースターの先生たちです。
今日は、彼らから、「お客さまをどうやって集めたらいいか」について、勉強してみてください。
奥深いマーケティングの世界ですが、彼らの話をさらっと聞くだけで、すぐにわかってしまいます。
それでは早速、私と一緒に、4人、いいえ、4匹のマーケッターの先生が登場する授業に入りましょう。