株式会社マーケティング・トルネードの佐藤昌弘です。
このページは、説教くさいです。誤解されやすいので、最初に言っときますが、
私は、『経営者の本分は、会社の業績を上げる』こと、
まずはそれが最優先だと思ってます。それが企業ですから。
しかし、儲ける事よりも大事なことがあると考えています。
この考えを、信じて疑いません、確信しています。
もし、それにご興味があるのなら、これを読んでもらえば良いと思って書きます。
私は、マーケティングと営業の経営コンサルタントとして、20年以上、起業家をサポートしてきました。
結果、数多くの起業家が成功していく様子を、すぐ横で見てきています。
だからこそ、わかってくる、見えてくるものもあります。
成功者たちは、そこへ到達するために、いろんなものを犠牲にしています。
彼らが犠牲にしたものは、友達、家族との時間、健康、睡眠、趣味、あるいは、幸せそのものかもしれません。
だからなんだ?
それがどうした?
私は、犠牲なんて当然だと考えています。
なんの犠牲も払わずに、簡単に成功者になれるほど、世の中は甘くありません。
(一部の例外はあると思います)
成功と引き換えに、なにかを犠牲にしないといけない・・・。
そんなことはわかっているんです。
そんな事は百も承知で、それでも起業家は成功を求めます。
起業家は、身体の奥のほうから、こみ上げてきて、突き動かし、駆り立ててくる、むき出しの欲望のような感情を、抑さえられないからです。
起業家とは、そういう生き物だと思います。
そうやって今日もまた、成功者になるという頂上を目指して、この国のどこかで起業家が生まれます。
ただ、とんでもない犠牲が待っていることもあるんです。
むき出しの欲望のような感情を抑えることなんて出来ないし、不要なんですが、どの方向へ向けるかが大事なのだと思います。
◆成功の到達点はどこだろうか?
『社会的に成功したい。』
起業家が、そうした願いを抱くことに、私は共感します。
私自身、コンサルタントになる前は、自分の会社を経営していました。
その会社を起業したのは成功者になりたかったからです。
そういった、人間のむき出しの欲望こそが、世の中を進化させてきました。
その良否は別として、経済が発展したのも、ひとつには、起業家の頑張りがあったからこそです。
しかし、どうなれば、どこまで成功すれば満足するのでしょうか?
「いけるところまで行くんだ!」
それもいいでしょう。
でも、それが本当に自分の答えなのかどうか?
●「キレイになる」と「似合う」の違いに、似てるのかも知れません。
私が考えるに、「儲かる」と「良くなる」は明らかに違います。
それは、小手先系と、本質系というか、「きれいになる」と「似合う」に近いのかも知れません。
(本当は違うんですが、乱暴に言うと、です)
キレイになるハウツーは、流行もあったり、今すぐ、今日から、すぐに試してみたくなります。
儲かるノウハウも、流行りがあり、今すぐ、今日、すぐに試してみたくなるのです。
でも、「良くなる」とか「似合う」という取り組みは、人生の分岐点のような試行であるかのように感じる人もいる。
「似合う」はキレイになるとは違うと思うんです。
その人ならではの持ち味が活かされ、その人の本当のポテンシャルが発揮されていて、充実感に包まれているような状態です。
「良くなる」というのも、会社にとって、経営者にとって、本質的なことじゃないかと思うのです。
「儲かる」と「良くなる」は、どっちが間違ってるとか、どちらがレベルが高いとか、そんなのは問題じゃない。
ただ私は、「良くなる」のを目標にしたほうが良いと考えています。
なぜなら、どうやら「儲かりたい」という表面的な欲望が過度にエスカレートしていくと、リスクも高くなるからです。
●『成功したい』という欲望の果て
京セラの稲盛さんは、
「人間は数字の魔力に勝てない。目の前に数字をぶら下げれば、どこまでも突き進んでいってしまう。競争相手を貶め、仲間の足を引っ張ってでも上に行こうとする。数字は、そんな競争する人間の本性を解き放ってしまう。それだけでは組織は長続きしない。だからその前に哲学・フィロソフィーなんだ。これから自分たちが頑張るのは、何のためなのか。世のため人のためではないのか。仲間を助けるためではないのか。それをしてはじめて良い人生が送れるのではないか。そこを理解しないと会社は暴走してしまう。」
そういう事を言われています。
つまり、資本主義とは人間の獣性を解き放ち成長の原動力とする制度だと言うのです。
確かにそのとおりだと思います。
きっと起業家は、この『人間の獣性』が高い生き物なのです。
では、起業家の「獣性」は、どこから来るのか?
起業家の獣性、その根底になにがあるのか?
起業家の獣性の原因は、心の底の、哀しみを伴った怒りがあります。
(私の師である心理臨床家から教わりました)
哀しみを伴った怒りとはなんでしょうか。
自分自身を大事にしたい気持ちがあるのに、「今の、こんな自分じゃ駄目だ、いやだ」という自分を認められない哀しさや腹立たしさ。
世の中に向けられたファイティングポーズのような、むき出しの闘争心、怒り、憤り。
そうした「怒りのような強い感情」が、起業家の心のなかにあるのです。
それが、一般よりも、強くて大きな怒りなのです。
それが、獣性の根っこにあるそうです。
怒りが強いからこそ、獣性は根強く、むき出しになることがあるのです。
起業家は、その強い怒りを解き放つことで、社会的な成功に近づいていく原動力にします。
しかし、際限はありません。
どれだけ社会的に成功をしても、上には上がいます。怒りは癒えません。
結果的に際限がないのです。
起業家の成功欲には、際限がなくなるのです。
そうすると、起業家の強い怒りはエスカレートし、時に暴走し、自身を破滅させたりします。
成功者たちは、そこへ到達するために、いろんなものを犠牲にしています。
だからなんだ?
それがどうした?
そう言いたいところですが、しかし、ここでの犠牲は大きすぎます。
そんなことを起業家は望んではいません。
幸せになりたいに決まっています。
起業家という生き物は、私も含めて偏った人達ばかりです。
だけど、私は、起業家に幸せになって欲しいと、本当に心の底から思います。
それなのに、際限のない成功欲の果てに、破滅していく起業家は、少なくありません。
だからこそ、起業家の怒りが暴走しないような成功のあり方が大事だと思うのです。
では暴走しないための成功のあり方とは何か?
私は、それは、
【自社ならではの社会貢献=世の中に役に立つ=持ち味を活かしたポジショニングで成功をする】
ということだと思います。
なぜなら、
【怒りは、自己存在感が満たされることで、癒えるのではないか?】
そう考えたのです。
持ち味を活かして、自社ならではのポジショニングを確立する。
そうすることで、世の中に役に立ち、誰かの助けになり、社会的に認められる。喜ばれる。感謝される。影響力は大きくなり、持ち味を活かすから向上心も発揮できる。
ポジショニングが確立されているからビジネス的にも利益はしっかり出せる。
そうやって満たされた感じが増えるからこそ、わずかにでも怒りは癒え、際限のない規模拡大の欲望に、適度なブレーキがかかり、良くなっていくのだと考えます。
(規模拡大が全部だめだとは言ってません、それがポジショニングになる起業家もいます)
起業家にとって、お金だけが成功の尺度ではないことはわかっています。
それじゃ大事なのは何か?
それこそが、自分の持ち味を活かしつつ、自分なりのポジショニングが確立され、ビジネスが「良くなっていく」時、自分への満たされた感じや、大事にされる嬉しさ、もちろん経済的成功、知名度、感謝されることも増えるのだと思います。
ビジネスが良くなること、
それこそが、起業家にとっての、真の社会的成功ではないかなと思うのです。
私は起業家をサポートし続けいくのが仕事です。
だから、絶対に幸せになって欲しいです。
「儲かる」と「良くなる」の違いについて、私なりに説明してみたつもりです。
なにか少しでも共感して頂けたなら幸いです。
株式会社マーケティング・トルネード
佐藤昌弘より
●まずは「儲かる」アドバイスから始めるのも良いものです
普段は、『どっちに進んだって、どうせイバラの道なんだから、迷ったら行け!』とか言ってるのですが、
このページばかりは、少し説教臭いというか、すみません。
まずは会社なのだから社会的成功(お金、名声、権力、感謝など)から、スタートしたら良いと思います。
小難しい話はそれから考えたら良いんです。
まずは適正な利益を出し、儲かるようになってから、余裕を持ちつつ会社を良くしていく。
目先の余裕が出来てから、そういうことを考えていけば良いと思います。
ぜひ、トライアルや、お問合せください。
しっかりサポートしますから。
お待ちしています。(さとう)
以上