BeRealとはなにか?マーケティング活用、広告配信や集客ツールとなる可能性は?

 

BeRealは注目に値するSNSだと考えてます。

そもそもSNSというものは、ユーザーの増加に伴い、今ではマーケターにとって広告配信ツールや集客ツールとして当たり前のように使われるようになりました。

 

そんなSNSですが、いまX(旧Twitter)やInstagramTikTokよりも新しいSNSとして若者を中心に注目を集めているのがBeReal(ビーリアル)です。

 

若者をターゲットに集客したいマーケターであれば、BeRealについて知っておくことは必須です。この記事では、BeRealの特徴や若者に人気の理由、現状の広告機能について解説するので、Webマーケティングの参考にしてみてください。

 

【執筆者プロフィール】

佐藤 昌弘(さとう まさひろ)
株式会社マーケティング・トルネード代表取締役。
1968年生まれ。愛知県出身。京都大学工学部卒業。

地元大手都市ガス会社を退職後、住宅リフォーム会社を創業し、2001年まで3年半経営した後、年商3億円超で売却。
2002年、株式会社マーケティング・トルネード設立。
個人事業主様から年商3兆円超の上場企業まで、研修やコンサルティングを提供。

 

BeRealとは

 

BeReal2020年にフランスでリリースされたSNSで、2022年に入ってから利用率が上がり、勢いのあるSNSです。今までのSNSとは違ったコンセプトからZ世代を中心に日本でも人気が高まっています。そんなBeRealの特徴や機能は以下のとおりです。

・写真からリアルな日常を共有できるSNS

BeRealは、リアルな風景を見せることをコンセプトに、友達と写真を共有できる新しいSNSです。

InstagramTikTokなど、今でも若者から支持の高いSNSは「映え」が重視されています。

反対にBeRealではリアルさを追求した写真を投稿するため、「盛らないSNS」と言われています。

 ・投稿のタイミングや閲覧に制限がある

通常、SNSに投稿するタイミングはユーザーの自由です。

誰かが投稿したコンテンツを閲覧するにしても、その投稿内容がフォロワー以外に対して非公開の設定になっていない限り、誰でも投稿を見ることができます。

しかし、BeRealは投稿のタイミングや閲覧に制限があるのが特徴です。

 

BeRealでは、毎日ランダムの時間に「2分以内に投稿しないと友達の投稿が見られません」という旨の通知が届きます。

2分以上遅れても投稿は可能ですが、その場合、自分の投稿を見ているユーザーの画面には「〇分遅れで投稿」と表示されます。

 

投稿回数は11枚ですが、通知から2分以内に投稿すればもう1枚追加で投稿が可能です。

投稿の削除も11枚までとなっているので、注意が必要です。

また、通知に記載されているように、自分が投稿を行わないと友達の投稿を見ることができません。

・画像フィルターや編集機能はなし

 BeRealの場合、スマートフォンの外カメラと内カメラで同時に写真を撮影することが可能です。

たとえ、寝起きでもすっぴん顔でも通知が来たらアプリ上のカメラを起動し、自分の顔と目の前の風景を同時に撮影し、SNSに投稿することになります。

 

映えを重視したInstagramなどのSNSでは、画像をおしゃれで美しく見せるためのフィルターや編集機能が備わっています。

しかし、BeRealでは画像フィルターや編集機能はないので、ありのままの姿や日常風景を友達と共有することが可能です。

この「ありのままの姿」こそが人気の源泉だったりするわけです。 

■何が若者をBeRealに惹きつけているのか

 RECCOOが現役大学生150人に対して行ったSNSの利用状況に関する調査では、50%近くの大学生がBeRealを利用していたといいます。

この利用率はTikTokとほぼ変わらず、Z世代の間では流行っていることがわかります。

 

LINEリサーチが「今後流行りそうなSNS」をテーマに行った調査では、BeReal4位にランクインしており、今後も若者を中心に利用率が増える可能性は高いと考えて良いはずです。

 

そんなBeRealが若者に注目される主な理由のひとつには、SNS疲れの影響が挙げられるかも知れません。

他のSNSでは映えが意識されている分、盛れてない写真や動画を投稿できないというプレッシャーがあります。平たく言えば、「なんてことない写真や動画じゃ、投稿できない」という事です。

例えば、Instagramに写真を投稿するなら、それなりに映えてないとマズいというプレッシャーがあるわけです。

マウントが全てではないでしょうが、毎回マウント演出をするのも大変なのかも知れません。

 

また、他社の投稿を見るのに疲れを感じること”も”あるのでしょう。

キラキラと日常が充実しているような投稿をする他者と自分を比較してしまい、凹んだり気疲れしてしまうケースも少なくないようです。

その点、BeRealは映えや周りの評価を気にしなくても良いため、SNS疲れしている若者に人気があるのかも知れません。

 

また、投稿時間がランダムなゆえに、友達の素の姿を見ることができる面白さもブームにつながっているのでしょう。 

BeRealには、現状広告機能がない

 

現時点でBeRealに広告機能はないため、広告配信や集客を目的にしているマーケターは様子見の現状です。しかし、BeRealが長期的に収入を得て発展していくためには、広告の導入は避けられないと考えられます。

 

したがって、将来的には広告機能が実装される可能性があります。

TikTokInstagramなど他のSNSでもそうでしたが、広告機能をオープンしてからすぐには競合もなかなか参入しません。オープンした段階で参入すれば、得られるメリットは大きいと思います。

 

ただし、BeRealは、盛らないSNSであることが人気の理由であることを忘れてはいけません。一方で、広告というものは、そもそも「良く見せる=盛る」のが前提です。

だからこそ、広告機能が公開されるときが来たとしても、「クリックすると企業の正直な姿を見せます」という方針で運用していくのが良いのだろうと推察されます。

BeRealを企業が活用するときの難しさ

BeRealの特徴は、ユーザーに対して1日1回、ランダムな時刻に写真を撮影して共有するよう促してくるところです。

このアプローチは、ユーザー自身の、より自然でありのままの瞬間を捉えることを目指していて、他のSNSと比較して加工や演出が少ないコンテンツなのが人気だし、特徴です。

ただ、この特徴こそが、企業がBeRealを活用する際の難しさを生じさせます。

ランダムに合わせる苦労

BeRealはランダムな時刻に写真を撮影することを促してくるため、事前に準備や計画を立てることが困難です。企業が、写真の品質を管理しつつ、このランダムさに追従していくのは大変だと考えられます。

コンテンツの制御が難しい

「その写真は掲載しちゃマズいだろ・・・」

まさにこれが生じます。

BeRealのコンセプトは加工されていないリアルな内容です。このため、企業が自社のブランドイメージをコントロールするために、掲載すべき写真はチェックする必要があるわけです。

そのコントロールが効きにくくなる難しさがあります。

効果計測が未熟

BeRealは、まだ新しいプラットフォームなので、分析ツールも発展していません(2024年4月段階)。なので、労力に見合った効果が出ているかどうかも、計測がしにくいという難しさがあります。

プライバシーとセキュリティの懸念

企業がリアルタイムで活動を共有してしまうのは、プライバシーやセキュリティに関する懸念をはらみます。例えば、顧客が写真に映り込んでしまう可能性があったり、機密情報がパソコンに表示されてしまっていたり、企業の未公開情報を誤って公開してしまうリスクが高いのです。

 

企業がBeRealを活用する際には、こうした難しさを、しっかり理解して、戦略を立てて活用していく必要があります。

それでも、ターゲティングさえフィットすれば、BeRealのリアルで生のコンテンツが持つ魅力を活かし、新しい顧客層にリーチするチャンスは大きく存在しています。

 

特に、新卒採用にむけたリクルーティング活用であれば、戦略的に活用していく価値は十分にありそうです。

BeRealの広告機能がオープンに向けて

 

BeRealで広告機能が解禁された場合、マーケターはBeRealがどのようなSNSなのか、また何が支持されるのかを深く理解しておく必要があります。なぜなら、他のSNSと比べて「より個人的で嘘がない」オーガニックな投稿が行われるプラットフォームと認識されているからです。

 

また、現状では若者などに人気であることを考えると、専門学校や、私立大学、ファッションブランドやアパレル、テーマパーク、芸能・エンタメ、ゲームなどは、広告の効果として期待できそうな予感がします。

 

いざ広告機能が解禁された時、すぐに参入できるように今からBeRealやユーザーをしっかり分析して備えておくと良いでしょう。

 

 

 

 

【まとめ】BeRealは若者向けのマーケティングに活用できる可能性がある

 

BeRealはリアルな日常風景を共有できる「盛らないSNS」であり、他のSNSと比べて気疲れせずに投稿を楽しめることから若者の間で流行っています。

 

現状は広告機能がなく、投稿時間や投稿回数に制限があるといった特徴からマーケティングの活用は他とは違った側面があります。しかし、BeRealが長期的に成長していく中で広告機能が導入される可能性が高いです。

 

オープンした段階で参入すれば競合と差別化を図れる可能性があるので、今からオープンに向けてBeRealについて理解を深め、準備をしておくことをおすすめします。

 

 

 

【執筆者】株式会社マーケティング・トルネード代表取締役 佐藤昌弘(執筆者プロフィール