凡人が最強営業マンに変わるファーストステップ
2021年04月02日
無料レポート
(このレポートは、凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストークという本を執筆した際の、最初の原型レポートです。「ですます調」ではなく、「である調」なのは、それが理由です。)
お客が欲しいと言うものを、売るな!!
「はぁ~~~~???なに言ってるの?」
こんな声が聞えてきそうだ。
冗談で言っているのではない。私は真剣だ。
お客が欲しいというものを、あなたは売ってはいけないのである。
それが、「セールスの極意」を一言で言い表しているからである。
このレポートを読み終わった時、あなたはきっと・・・・
最強営業マンになるのが、いかに簡単なことなのか、理解していることだろう。
冒頭でもお話したが、「お客が欲しいというものを、あなたは売ってはならない」のである。
なぜか? 理由は単純なことだ。
お客は、自分自身が欲しいものを知らないからである。
そんなバカなと思われそうだが、これは事実だ。
売り手は当然のことながら、売ろうとしている商品についてのプロだ。 一方、お客はその商品について何も知らない素人。
売り手は商品に対する豊富な知識を持っているのに、お客は何も知らない。 つまり売り手とお客は、同じ土俵に立ってはいないのだ。
言われてみれば当然のことなのだが、意外と見落としがちな点だ。
売り手はまず、このことに気づかなくてはならない。
こうした事が、実際のセールス現場では、どのような形となって現れているのか? 具体的な例を挙げてみるとわかりやすいだろう。
お客 「すいません。電動ドリルが欲しいんですけど・・・」
あなた 「はい。いらっしゃいませ。電動ドリルですね。こちらです・・・。えーと、どういったのをお探しですか?なんかは、比較的お値打ちで、使いやすいので・・・」
?????
何が悪い?
では違う例で行こう。
お客 「すいません。この車見せて欲しいんですけど・・・」
あなた 「いらっしゃいませ。こちらの車ですね。もちろんいいですよ。この車はねぇ、年式の割りに走行距離もあまり行ってないし、お買い得ですよ。それに、荷物だってたくさん詰めますしねぇ。色も汚れが目立たないし・・・」
?????
どこか悪いところでもある?
実を言うと、これは、売れないセールスの典型なのである。
では、売れるセールスは、何が違うのだろう・・・
お客 「すいません。電動ドリルが欲しいんですけど・・・」
あなた 「はい。いらっしゃいませ。電動ドリルとの事ですね。ちょっとお伺いしていいですか?れている事でもおありなんですか? 」お客「っているわけではないんですが、ベニア板に穴を開けて、子供の工作を手伝ってあげないと・・・それで電動ドリルを・・・」
あなた 「具体的には、どんなベニア板なんです?何枚? 」お客サうですね。〇〇で、× ×で、△△ で・・・」
あなた 「なるほど。では、当店でそういったベニア板を作成しましょうか?それで加工済みの板を納品すれば、一番良さそうだと感じますが・・・」
お客 「えっ?そんな事いいんですか? いやぁ、すいません。助かります・・・」
どう?違いがお分かりだろうか?
ほとんどの営業マンは、お客のことばを真に受けてしまったため、商品を売り損ねてしまうのである。笑い事ではない。
99%の売り手が、このような過ちを犯してしまっている。
どうしてこのようなことになってしまうのか?
それは、大半の売り手が「お客は物を買いに来ている」と勘違いしているからだ。
お客は物を買いになんか来ていない。
便益を買いに来ているのだ。
お客はドリルを買いたいのではなく、穴を開けるという結果を求めているということだ。
それでもお客は、どういっていいのか分からないのだ。
だから、とりあえず、自分に判る言葉の範囲内で、「ドリルが欲しい」と言う。
売り手が、これをお客の本音だと思い込んでしまうところに問題がある。 お客の言葉どおりにドリルを売っても、お客の満足度は低いから、以後の売り上げには、つながらない。
実際に多いのは、「ドリルを欲しがってるぞ。一番高いやつを売りつけてやれ」なんて事をしてしまう。これはもう論外だ。
同様のミスは、電器店でも、美容院でも、経営コンサルティング事務所でも、実に多く見られる。
美容院では、
「パーマしたいんですけど・・・」
「はい。どんな感じで? 」
こんな無駄な会話が繰り返される。
経営コンサルティングでは、
「社員のモティベーションをあげたいんですけど・・・」
「はい。では、〇〇制度を構築し・・・」
こんな無駄な会話が今も繰り返されている。
こうやって、自分で売上ダウンをしているにも関わらず、挙げ句の果てに「根性で売ってこい」なんてバカな指示を出す上司や社長までいたりするからお笑いである。
そんなもので売れるわけがない。
お客は「穴を開ける機器」についての専門家ではないのだ。
放っておくと「ドリルが欲しい」と言ってしまいがちなお客に、いかにして「穴を開けたい」という本音を言ってもらうかがカギなのだ。
「これくらいの穴を開けたいんだけど」とさえお客に言ってもらえれば、それに応じて「どこに?」「何のために?」「いつまでに?」などと詳しく話を聞いていける。
その結果、2万円もするドリルではなく、ひょっとしたらキリのほうが有効だとわかるかもしれない。
それを説明すれば、お客も「あ、そうなんだ。じゃあ、キリをください」となる。 これが自然なセールスだ。
この方法によってこそ、いわゆる顧客満足が生まれ、長期的な取引にも結びつくのだ。
かの松下幸之助氏も「商売とは、お客さんの『困ったこと』を解消してあげて、お金をいただくもの」だと言っている。
私のいう「お客は便益を買いに来ている」と同じことだ。
私は、特別なノウハウを語っているとは言わない。すごく当たり前のことに過ぎないのである。
経営の神様も言っていることなのに、驚くほど多くの人が、これを無視している。
それどころか、困っているお客さんのところへいきなり近づいて、売り手本位で物を売りつけようとする輩が実に多い。
洋服店にジーンズを買いに行くときのことを考えてみよう。
まっすぐにジーンズのエリアに向かうことは少ないだろう。まずは入口近くのTシャツなどを物色しつつ、目的のエリアに近づいていくはずだ。それなのに、間抜けな店員は「そのTシャツはですね」などと、いきなり近づいてくる。
こちらはまだ、店の雰囲気などを見ている段階なのに・・・。
では、具体的にどのように考えて営業トークを組み立てていけばいいのだろうか?
既存のセールス手法についての誤解
その前に、既存のセールス手法についての誤解を解いておきたい。
過去に、いろいろとセールス本が出ている。
しかし、どれもこれも、究極のセールストークに比べたら、使い物にならないものばかりだ。系統別に紹介してみよう。
1.説得系
説得すれば売れるという論法である。
バカを言っちゃいけない。
お客は説得なんかされなくない。
納得したいのだ。
確かに一時的には売れるが、しょせんお客を納得させていないインチキなので、「売りつけられた。言い包められた」というシコリがお客の心に残る。
長期的に見て損な方法であることは言うまでもない。
2.こうすれば断られない系
これは、説得系とよく似ている。紙一重だ。大差ない。
たとえばお客に「やっぱり決められないんで、もうちょっと検討して・・・」と言われたとする。
それに対して「ご自分の事を決められないというのは、不思議です。すべての比較検討情報があるわけですよね。」と追い込む。
まるで、蛇がトグロを巻くかのように、徐々にエサ(顧客)を追い込んでいく。そして逃げられないように仕向けていく。
とにかくお客に断らせないための詭弁を弄する方法だ。これも説得系と同様、お客は買ったあとで、売りつけられたという不快感を持つ。
3.提案系
「お客へのプレゼンテーションに力を入れろ。そうすれば売れる」というという論法。
もう、悲しくなってくる。これは大ウソだ。
私は、建築業界時代、図面を引いて「こんなトイレにすると、すごくいいですよ。リビングはここに畳スペースを設けて、明るい家族団らんの云々」など、バリバリと提案書を書いた経験がある。
しかし、お客の要望を聞いていないから「ここをこういうふうに変えたらどうなるの?」という一言でプレゼンテーションは終わってしまう。
つまり、持ち帰って書き直しである。 再度提案書を提出しても「どうもちがうなあ」と言われてしまう。
「じゃあこれは?」「うーん、いまいち」「これは?」と半永久的に続くのだ。 挙句の果てに、「もう少し、検討してみます・・・」の一言でTHE ・END。
提案型のセールスは、自己満足以外の何物でもないと断言できるし、提案をしなくても売れそうなお客を探したほうが早いのである。
4.まめまめ系
「まめに顔を出せ」「まめに電話しろ」という類いだ。
ハッキリ言おう。うざい。
特に、法人営業は気をつけて欲しい。社長は忙しいのだ。
マメにされればされるほど、うっとおしくなる社長が多いのである。
お客がヒマならいいが、やり手であればあるほど、まめまめしい営業マンは鼻につく。
では一般消費者はどうか?はかつて、この方法を実践したことがある。 年間500枚のハガキを書くというノルマを立てて実行したのだが、非常に疲れたし時間もかかりすぎた。
1日に2枚も書けばノルマクリアなのだが、1週間と続かなかった。確かに、継続すれば業績は上げられるだろう。
ただし、継続すれば・・・である。
誰も継続できないからこそ、継続するだけで良い。ある意味簡単だ。私は、言い訳をする。自己正当化する。
それが良いのは、頭じゃわかっちゃいるけど、私には出来ないし、やりたくない。
これほどの努力を注ぐことができるなら、売れて当たり前。
しかし、効率はあまりよくない。
5.感動系
「お客の心をつかめ!」という類いだ。
雨の中でたたずんで今日もお帰りを待っているとか・・・。
忠犬ハチ公じゃないんだから。
確かに感動するかもしれない。
しかし、たとえ感動しても、いらんものはいらんのだ。
6.自己売り込み系
「商品の前に自分を売り込め! 」という類いだ。
「まめまめ系」や「感動系」に近いものがある。
自分の人柄を売り込めというのだが、ではどんな人柄がいいのか。
どんなお客にもフィットする人柄なんてないだろうし、それどころか「いい人」ぶっていることが、逆にお客の神経を逆なですることもある。
私に限ってなのかも知れないが、私ははじめから馴れ馴れしくしてくる「自己売り込み系営業マン」が嫌いだ(笑)
7.心理操作系
「買う気にさせる心理トーク」といった類いで、いま流行りのセールス理論だ。
たとえば「外壁を塗り替えようかな」と思っているお客さんがいるとする。 そこへ「仮に、塗り終えてみた外壁をイメージしてみてください」と、お客に理想形を想起させる方法などもある。
いったん、想起してしまうと、人間というのは欲しくなってしまう。
そうしたイメージ想起による心理効果を利用するわけだ。
セラピストが、対象者が余計な情報に惑わされて間違った判断をさせないために用いる、心理的手法と原理は同じ。
しかし、売り手が特定の商品を買わせる「悪用」は感心できない。
そもそも長期的な取引には結びつかないし、実践するのが難しい。
本来は、心理学の専門家が行なうハイレベルな手法なのだ。
声のトーン、テンポ、ボディランゲージ、目線、いろんな要素も大切になる。
簡単に出来ると思ったら、大間違い。
出来るようになる前に、会社は潰れてしまうかもしれない。
8.自己管理系
「営業マンは自己管理だ、時間管理だ、行動管理だ」という類い。
「手帳が大事だ」というのも、その一種。
「優先順位をつけて訪問していこう」などど説くのだが、その優先順位の根拠は、あくまで営業マンの感覚に過ぎない手前勝手なものにすぎない。
お客の立場に立っていないのである。
お客のことを考えずに営業しようというスタイルなのだ。
セールスと自己管理というのは、直接的には関係ないはずなのである。 自己管理が大切になってくるのは、もっと違う場合なのである。
9.メカニック系
「ITだ、スピード営業だ!」などと銘打って、やれノートパソコンを持ち歩けだの、デジカメを活用せよだのと騒ぎ立てている。
営業に、こけおどしの小道具なんか必要ないのである。
所詮は、あるに越したことは無い。その程度である。
わざわざ、パソコンメーカーの手先にだまされなくてもいいだろうに。 お客にしても、営業マンに「スピード営業でいつでも参上します」と言われるよりは、「申し訳ありません。先約があるので、明日の夕方でお願いできないでしょうか?」と言われたほうが信頼できるはずだ。
前者の営業マンはヒマで、後者は忙しいんだなと感じるということだ。
どうだろうか。
我ながら、辛口だった部分も多かったかも知れない。
もちろん、すべての方法が、まったくダメだとは言わない。ちゃんとやれば効果があるのだろう。
ただ、勘違いしないで欲しいのである。
上記に紹介した数々の手法は、実践することによって、そこそこ売れることもあるのだ。むしろ、その方がタチが悪い。
だから、滅びもせずに続いてしまうのである。
しかし、おしなべて効率は悪いし、無意味なものもある。
それどころか、長期的に見て、実践しないほうがいいものも少なくない。
実践のしやすさから言っても、時間効率から言っても、ベストな方法であるのか、少し考えて見て欲しいのである。
じゃ、どうすりゃいいのか?
今のお客は、基本的に、売り手の前では本音を言わない。
なぜそうなってしまったのか?
世の中に、あまりにも売らんかな主義がはびこってしまった結果、お客が最初から、疑いモードになっているのだ。
油断すると、変なものを売りつけられるんじゃないかと思っているということだ。
一昔前までは、売り手とお客の関係はもっと良好だったはずで、食肉の原産地を偽ったりなんて話もなかった。 産地偽装に代表されるような詐欺同然の売り手に、お客はもうこりごりしている。
昔ならゼロから信頼感系を築けばよかった売り手と買い手。しかし、いまや買い手の不信感が高まっていて、売り手にとっては、お客がひいているマイナスから始めなければならないという厳しさがある。
そんなお客の、凝り固まった不信感を解消していくためのノウハウ。
それが、今からご紹介する「魔法のトーク」なのである。
実はノウハウといっても、私自身は、そう大仰に言うほどのこともないくらいの「小技」だと思っているのだが、多くの経営者は「スゴイ」「目から鱗だ」と称賛してくれる。
それは、今のお客の不信感をときほぐすことの難しさを、身をもって味わっているからだろう。
売り手は、お客の本音を引き出すことが肝要だ」とはすでに述べた。では、その本音をお客に口にしてもらうには、どうすればいいのか。
<<<<<魔法のトーク>>>>>
難しいことじゃない。とてもシンプルなことである。
最初に、「商品やサービスを手に入れることで、お客はどんなメリットを得ようとしているのか?」を聞く。
これを尋ねるだけ。たったこれだけなのだ。
しかし、このセールストークができるとできないのとでは、売り上げに雲泥の差が出る。
例を挙げよう。自動車販売のディーラーが、展示場へクルマを見に来たお客に、有効な声のかけ方をしたい。そんなときはどうすればいいのだろうか?
ちょっと応用してみると、こうなるかも知れない。
「今日、こちらのクルマにご興味がおありなんですね。今乗っているのは〇〇ですよね。何か調子でも悪いんですか?」
「今回、当塾の体験学習会にお越しいただいたわけですね。賢そうなお子さんに見えるのですけど・・・。学力向上で悩まれていることでもおありなんですか?」
など、あらゆる業界に応用が可能なのである。
声のトーンも重要なのだが、残念ながら、今、あなたが読んでいるのは「紙媒体」であり、レポートでもあるので、細かい点までは伝えられない。 自分なりに、多少の試行錯誤を繰り返せば、出来るようになると思う。
私は、自分のホームページで、「凡人が最強営業マンに変わるセミナー」というビデオを販売している。
もちろん、それを見てもらえば、口調や、間の取りかた、雰囲気や、距離感など、伝えきれないものが理解してもらえると思う。
また、このトークを、心理学的にルール化して、穴埋め式トークにまで洗練させてまとめてある。
そして、どのタイミングでやれば良いのか?
また、その後のプロセスや、細かく要望を聴いていく方法などについても映像で見てもらえる。
その映像教材で紹介されている魔法のトーク集は、私や私のクライアント企業さんが、日々の実践の中で繰り返し試行錯誤をした結果生み出された営業トークなのである。
つまり、神様から「はい。どうぞ。」と与えられたものではないのである。
だからといって、正直に言おう。別に、このレポートを読んだ人全員が、そのビデオを買う必要は無い。好き嫌いもあるし、強制はしたくないからだ。
私の本を読んだだけで実践を繰り返して、最強営業マンになられた方もいる。私のビデオを見て、勉強し、ものすごい活躍をして、今やセールスコンサルタントになってしまった人もいる。
手っ取り早くノウハウを吸収したいのなら別だが、ビデオを買わなくても、日々の試行錯誤の実践の中で、あなたなりに営業トークを組み立てていけば、自然と上達していけるはずだ。
ちょっと考えてみれば、当たり前である。
ビデオを見たって現場で実践して自分のものにしなければ役に立たない。裏返せば、方向性さえ間違ってなければ、現場で試すうちに出来てくるかも知れないのである。
お客の不満点を引き出したことをきっかけに、お客の要望を把握するのである。 そして、それに似合った商品を提供する。
これが究極のセールストークのプロセスだ。
たったこれだけのフレーズだが、言い回しも含めて、お客の本音を引き出す威力を持ったセールストークは、誰でも構築が可能なのである。
実を言うとこのフレーズは、様々な心理学や認知言語論など、数多くの理論に裏付けられている。
ウソだと思うなら、専門家に聞いてみればいい。感心されるはずである。
そして、不要な部分を極限まで削り取った、セールストークの集大成でもあるのだ。
「不要な部分は削った」あるいは「これ以上は削れない」と言い切れる根拠は、他ならぬ私自身が実践して試したということに尽きる。
なお、それぞれの背景にある理論の詳細について、このレポート上ではお話しするつもりはない。
実践者である、あなたが、そんな難しい心理学の背景知識を学びなおす必要もない。
あなたはただ、このフレーズがお客の本音を引き出すのに有効であることを知り、使えるようになりさえすればいいのだ。
お客の本音さえ聞き出せればいいのだ。
やり方はあなたオリジナルだって構わない。
それに合わせて商品を紹介していけばいいのだから・・・
実際に、このセールストークを実際に使っていくうちに、お客の本当の要望がわかってくるようになってくるはずである。
例として、先に挙げた自動車販売のディーラーの話に戻ろう。新車の試乗会があったとしようか。
前述のセールストークを試してみたとしよう。ところが、そのお客が買うつもりなんて全然なかったとする。するとこの冷やかしのお客は、何も答えられない。「いや、一回乗ってみたくて…… 」と口ごもってしまうはずだ。
この究極のセールストークは「数多くの理論に裏付けられている」と先に述べたが、とっさにウソで切り返すのは難しい、というノウハウも込められているのだ。
悪いセールストークの例と比較すると、その違いがわかりやすい。 「今日は〇〇の試乗会に来ていただいてありがとうございます。快適だったでしょう?」
お客は「ええ」と答えておしまい。 それ以上に話は進展しない。
お客の本音を引き出す、究極のセールストークには程遠いからだ。
参考までに、この究極のセールストークを受けても、なお本音を言わないお客は2種類しかいないのである。
ひとつは、いま話した冷やかし客。
もうひとつは「興味はあるけど、いまは売り込まれたくない」と、かたくなに思っているお客だ。
まだ購買の意志が固まっていないお客と言ってもいい。
この2種類のお客に共通して言えることは、究極のセールストークをかけた時点で、さらなる営業をかけてしまっては逆効果になるという点だ。
その気がなかったり、イヤがっているのに話を進めても時間の無駄。
はっきり言ってしまえば、これらは売れる見込みのないお客だということだ。
冷やかしの客と、興味はあるが購買の意志が固まっていないお客を見極めて、後者をなんとかしたいと考える向きもあるかもしれない。
しかし、それをやるとデメリットが大きくなってしまい、長期的には業績ダウンしてしまうのである。
今すぐでない見込み客は、アンケートなどに答えてもらい、定期的にニュースレターなどでフォローをしていけば良いのである。
どちらのお客も「それ以上の営業を拒否している」という部分は同じなので、売り手には、どちらのお客なのか見分けることはできないし、見分ける必要もない。
どちらのお客であろうと、営業をかけても効果のないお客なのだ。
それさえわかればいい。
その時点で、営業は切り上げるのが賢明だ。
そして、見込みのあるべつのお客に声をかけていけばいい。
営業マンは、売上に対する時間効果で評価されるものだという認識があれば、これは当然の判断だ。
しかし、日本の多くの営業マンは、無駄話に花を咲かせるのが大好きだ。
「見込み度Aです」なんて、お客の気持ちを考えない手前勝手な判断で、実は買う気のないお客( =冷やかしのお客・売り込まれたくないお客) を相手に、のらりくらりと商談を続けている。
話をきいてくれるのは気分がいいので、営業マンはつい悦に入って話し込む。
相手のお客は、情報収集のために快く話し相手になってくれても、買い手にはなってくれないのだ。
それなのに相変わらず、非効率的な雑談を繰り返している。
そんなお客からはいち早く抜け出して、買ってくれるお客のもとに行かなければならないのに、多くの営業マンは、なかなかそうしようとはしない。
なぜか。
買ってくれるお客というのは、商品について核心的なことを、ズバズバ手厳しく尋ねてくるからなのかも知れない。
それが恐くて、営業マンは話しやすい「雑談相手」のお客のもとへと逃げ込むのだ。
そんなことで売り上げが伸びるわけがない。
そもそも、「厳しい質問をするお客こそが、商品を買ってくれる本命のお客だ」という見極めすらつけられずにいる、三流の営業マンも少なくないのだけれど。
営業の活躍が顕著な、保険業界を例にとってみる。
この業界には、たったひとりで「世界の成績ランキング3%」というとんでもない売り上げを誇る営業マンもいる一方で、生活が汲々としている営業マンもいる。
両者の違いは何なのか。
マーケティングは、すべて会社側がやってくれているので差はない。
つまり、セールス力の差に他ならない。
トップクラスの営業マンは、多額の売り上げに貢献してくれるお客かどうかを、きっちりと見極めている。だから、動きが効率的なのである。だからこそ、お客のニーズを的確につかんでそれに合致した保険を勧めている。売れて当たり前だ。一方で、売れない営業マンは、自分が売りたい保険をいきなり売り込む。
その差は明白だ。どっちが正解なのかは言うまでもない。
「ワンボックスカーが欲しいんだけど、ノアってクルマがいいらしいわね」というお客に対して「ではノアを」なんて、口が裂けても言ってはいけないのである。
「ノア」の裏側にある、真の悩み・欲求を聞き出すのである。
「ん?キャンプに行くことが多いんだけど、荷物が積めないのよね。ウチは7人家族で人数も多いし、収納スペースが少なくて」
「なるほど。それじゃあノアよりも・・・」と話が展開することも十分にありうるからである。
お客は、売り手に質問されることによって初めて、本当の自分の要望に気がつくことが多いのだ。
商品に関する知識不足のため、本心とはかけ離れた商品を、表面上は欲しがっているお客が少なくないのだ。
冒頭の「お客は、自分自身が欲しいものを知らない」とは、そういう意味だ。
あなたは、究極の選択に迫られる!?
話を聞いていくうちに、お客の要望はどんどんハッキリしてくるはずだ。
しかし、ここで究極の選択に迫られることが多々ある。
自分の扱っている商品では、お客の要望を満足することが出来ないという事実が判明してしまった場合である。
たとえば、究極のセールストークを経て、クルマを買いに来たはずのお客が、実はオートバイのほうがいいとわかったとする。
これは、商売への姿勢が問われるところである。
私なら、 「じゃあ、知り合いのバイク屋を紹介しましょう」
A仲介の労を取ることだろう。
無理矢理、クルマを売ろうとはしないことだろう。
そのときはオートバイを買ったお客が、やがてクルマが欲しくなったとき、どこへ来るか?
もちろん、ふたたび私のもとへ訪れるにちがいない。
長期的に見て、利益となって跳ね返ってくるのだ。
私はその道を取るだろう。
もちろん、どちらが正解かはわからない。もしかすると、この究極の選択には、正解などは無いのかも知れない。
こうした話をすると、
「いや、ウチは短期の利益が欲しいんだ」と反論する人が多いが、長期的に見ることこそ、最も短期の儲けつながると、私は思うのである。
もちろん、このセールストークを身につけると、短期的にも売上は上げられる。なぜなら、究極のセールストークによって、数多くのお客を短時間でさばけるからだ。質問のプロセスが短いので、売れる見込みのあるお客であれ、そうでないお客であれ、すぐに終わる。
時間の節約になるのだ。
「えー、今日はいい天気ですねえ。今日はドライブ日和ですね」なんて無駄話をしなくて済むのである。
浮いた時間で、べつのお客に声をかけるなり、顧客訪問するなり、ハガキを書くなりすればいい。
時間効率の面でも優れたセールストークと言える。 特に、昼は営業、夜は経理など社長一人でこなすような中小企業にとっては大助かりの手法だ。
愛想笑い・もみ手などは不要になる。
お客と対等な立場で話ができるようになるという利点も見逃せない。
最後に、私が住宅リフォーム会社を経営していたとき、実際にあった出来事をお話しよう。
「家を6畳くらい増築したいんだけど、いくらくらいかかります? 」
という電話が、匿名でかかってきたことがある。
そして私は、質問を繰り返していった。真の欲求をもとめて・・・
「物が増えちゃってねえ」
「物が増えたんですか。だったら片づければいいんじゃないですか」
「スペースがなくて片づけられないの」
「そうですか。それで増築というわけですか」
「それが一番いいかなと思って」
「部屋の状態によっては、間取り改装が可能かもしれないですね。床下収納ができるかもしれない。天上収納かも。屋外に物置を建てれば解決できるかもしれないし、片づけかたの工夫ひとつでなんとかなるかもしれない。……どうします?一度私ががお宅にお伺いして、どんな方法で解決できるか、お宅に伺ってご相談に乗りましょうか?来てほしくないということでしたら、いまのお話を参考にして下さい」
私がそこまで話すと、そのお客は初めて名乗った。
もし私が「ぜひお宅に伺わせてください」などと無理強いをしていたら、そのお客が名乗ることはなかっただろう。
営業マンが追いかければお客は逃げ、営業マンが逃げればお客のほうで追いかけるのだ。
以上の話はもちろん、売り手が商品について熟知しているということが大前提だ。
いま日本では、いい商品なのに売れないという問題がある。 さらに悪いことに、悪い商品なのに売れてしまっているという現実がある。
なぜか?
お客のことを真剣に考えてクオリティを高めて良品を扱っている店に限って、売り方が下手だからだ。
これは社会的損失だ。
悪い商品のほうが売れてしまうのは、売り方がうまいから。
事故車を売りつける中古車販売業者は、自分のところの商品が劣悪だと知っているから、売るのに必死になる。
結果、売るテクニックだけは巧みになるのだ。
こんな理不尽を解消するには、悪い商品を売る店の撲滅を考えるよりも、いい商品を持っている店が真っ当に売れるようになる方法を考えたほうが、社会的にメリットが大きいのである。
どうすればいいか?
だからこそ、良い商品・良いサービスを持っている売り手にこそ、ここで紹介した究極のセールストークを身につけてもらいたいのである。
売り方において同じ土俵に立てば、いい商品と悪い商品、どっちを売るべきかは自明の理だ。
まちがっても、売れないのを不景気のせいにしてはいけない。
繰り返そう。
売れないのは、売り方がヘタソクだからだ。
それは、あなたが悪いのではない。今まで誰も教えてくれなかっただけのことだからだ。
繰り返す。
あなたが悪いのではないのだ。
だからこそ、私は断言する。
セールスもしたことの無かった凡人が、最強営業マンに変わるのは、とても簡単だった。
さてと・・・最後に、あなたに質問してみたい。
お客が欲しいと言うものを、売るな!!
「はぁ~~~~???なに言ってるの?」
あなたは、読み終わった今でも、同じ反応をするだろうか?
株式会社マーケティング・トルネード
代表取締役 佐藤昌弘
END
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