効果的な研修の、インプットとアウトプットの重要性を調べてみた
2025年03月23日
私は、企業の業績を伸ばすために、そのクライアント企業の営業さんに集まってもらって、営業研修をすることがあります。
その研修が、うまく効果的にはまると、たった1日の営業研修で、成績が上がります。
私なりに、効果的な営業研修って、どういう条件が必要なのか?
調べてみました。
そうしたら、「学んだことが定着したり、思考力が上がるには、アウトプットの比率を高める」ことが大事だとわかりました。
ずいぶん前から、研修をする際に、講師として、「さて、参加者の皆さん、最後に、今日の研修で学んだことや、参考になったこと、明日から活用してみようと思う事を、各テーブル毎に、話し合ってもらえますか?」という時間を作ると、なんとなく効果的だとは感じていましたので、今後も継続していこうと思います。
少し調べたことをお伝えします。
1.知識を得るために、どんな学び方があるのかを調べてみた
研修や自己学習の中で、「知識を得る」ための方法は数多くあります。
たとえば:
- 座学(講義形式)
- 本や資料を読む
- ディスカッションする
- 耳から聞く(聴覚教材)
- 動画を見る(視聴覚教材)
- 体験を通じて学ぶ(ワークショップや実習)
- 書く
- 人に教える
それぞれの方法にメリットはありますが、すべてが同じように「記憶に残る」「行動が変わる」わけではありません。
では、どのような学び方がより効果的なのでしょうか?
2.どういう学び方をするのが効果的なのか?
~インプットとアウトプットの比率が大事?ホントか?~
ラーニングピラミッド(National Training Laboratories)という理論をご存知でしょうか?
調べたら、そういうのが出てきました。
すごく有名な理論だそうですが、あまり信憑性がありません。
※理論っていうのは、いろんなものがありますので、、、、
例えば、この理論によると、学習定着率は次のようになります。
学習方法 | 定着率(%) |
講義を聞く | 5% |
読書(読む) | 10% |
視聴覚 | 20% |
実演を見る | 30% |
ディスカション | 50% |
実践してみる | 75% |
ひとに教える | 90% |
最初に知ったときは、「へぇ・・・面白い」と思ってしまいそうですが、この理論の%の根拠は怪しいものです。
だいたい、どうやって実験したのか?
どこを調べても、この理論の、論拠・根拠が出てきません。
まあしかし、能動的な学習方法が効果的であるという、それは経験的な事実として理解できます。
いずれにしても、「教える」「話す」「使う」=アウトプットをする方が、圧倒的に脳への定着率が高いと言えそうです。
しかし、学んでないことは、他人へ教えることは出来ません。
結局のところ、学びには、「インプット(知識を得る)」と「アウトプット(使う・話す・行動する)」の両方が必要なんです。
脳科学や教育心理学の研究では、インプットとアウトプットを一連のプロセスとして行うことで、学習の定着率が飛躍的に高まることは、わかっています。
「アウトプットの重要性」だけは共通しています。
これは、ただ知識を得るだけでなく、それを人に話したり、使ったりすることで、記憶に残り、行動にもつながるということを意味します。
いずれにせよ、アウトプット学習を否定する論拠は、どこにも見当たりませんでした。
3.営業研修に置き換えてみると、どうなるか?
だとすると、良い営業研修にするためには、どういうカリキュラムにすると良いのか?
たとえば営業研修の場合、
インプットにあたるのは以下のような要素です:
- 講師による座学(営業理論やトークのポイント解説)
- 講師によるセールス実演を見せる
- 実際に他社で使われている営業ツールの実物を回覧する。
(実物を手にすることで触覚刺激もある)
これらは必要なインプットですが、インプットだけで終わってしまうと、「わかったつもり」で終わることが多く、実際の営業現場では使えないこともあります。
そこで重要になるのがアウトプットの設計です。
たとえば:
- ロールプレイ(ロープレ):実際の営業シーンを模した役割演技の練習
- 学びの情報交換:ペアやグループで、今日学んだことの感想シェア、気づきの共有
- 実務への落とし込みシート:学んだことを「明日使うツール」を制作してみる
- フィードバックを受ける機会:同じ研修に参加している仲間から意見をもらうことでさらに定着
このように、アウトプットの種類を増やすことで、研修の効果は何倍にもなるのかも知れません。
4.効果的な研修にするための「まとめ」
効果的な研修に必要なのは、「知識を教える」だけでなく、その知識を使えるようにする研修の仕組みなのだろうと思います。
わかりやすい研修であること、それは大事なのだと思います。
しかし、それだけでは足らないと思います。
その鍵を握るのは、「アウトプットの比率を高める」というのが1つあると思います。
営業研修の受講者自身が、
「自分の言葉で話す・行動に変えるという体験」をすることで、
初めて研修が“知識の定着”から“行動の変化”につながると考えます。
こういう事を意識しながら、今後も営業研修を組み立て、講師をしていきます。
佐藤