効果的な研修の、インプットとアウトプットの重要性を調べてみた

私は、企業の業績を伸ばすために、そのクライアント企業の営業さんに集まってもらって、営業研修をすることがあります。

その研修が、うまく効果的にはまると、たった1日の営業研修で、成績が上がります。

 

私なりに、効果的な営業研修って、どういう条件が必要なのか?
調べてみました。

 

そうしたら、「学んだことが定着したり、思考力が上がるには、アウトプットの比率を高めることが大事だとわかりました。

 

ずいぶん前から、研修をする際に、講師として、「さて、参加者の皆さん、最後に、今日の研修で学んだことや、参考になったこと、明日から活用してみようと思う事を、各テーブル毎に、話し合ってもらえますか?」という時間を作ると、なんとなく効果的だとは感じていましたので、今後も継続していこうと思います。

 

少し調べたことをお伝えします。

1.知識を得るために、どんな学び方があるのかを調べてみた

研修や自己学習の中で、「知識を得る」ための方法は数多くあります。
たとえば:

  •  座学(講義形式)
  •  本や資料を読む
  •  ディスカッションする
  •  耳から聞く(聴覚教材)
  •  動画を見る(視聴覚教材)
  •  体験を通じて学ぶ(ワークショップや実習)
  •  書く
  •  人に教える

 

それぞれの方法にメリットはありますが、すべてが同じように「記憶に残る」「行動が変わる」わけではありません。
では、どのような学び方がより効果的なのでしょうか?

 

 

2.どういう学び方をするのが効果的なのか?
~インプットとアウトプットの比率が大事?ホントか?~

 

ラーニングピラミッド(National Training Laboratories)という理論をご存知でしょうか?

調べたら、そういうのが出てきました。

すごく有名な理論だそうですが、あまり信憑性がありません。

 

※理論っていうのは、いろんなものがありますので、、、、

 

例えば、この理論によると、学習定着率は次のようになります。

学習方法 定着率(%)
講義を聞く 5%
読書(読む) 10%
視聴覚 20%
実演を見る 30%
ディスカション 50%
実践してみる 75%
ひとに教える 90%

 

最初に知ったときは、「へぇ・・・面白い」と思ってしまいそうですが、この理論の%の根拠は怪しいものです。

だいたい、どうやって実験したのか?

どこを調べても、この理論の、論拠・根拠が出てきません。

 

まあしかし、能動的な学習方法が効果的であるという、それは経験的な事実として理解できます。

 

いずれにしても、「教える」「話す」「使う」=アウトプットをする方が、圧倒的に脳への定着率が高いと言えそうです。

しかし、学んでないことは、他人へ教えることは出来ません。

結局のところ、学びには、「インプット(知識を得る)」と「アウトプット(使う・話す・行動する)」の両方が必要なんです。

 

脳科学や教育心理学の研究では、インプットとアウトプットを一連のプロセスとして行うことで、学習の定着率が飛躍的に高まることは、わかっています。

 

「アウトプットの重要性」だけは共通しています。

これは、ただ知識を得るだけでなく、それを人に話したり、使ったりすることで、記憶に残り、行動にもつながるということを意味します。

 

いずれにせよ、アウトプット学習を否定する論拠は、どこにも見当たりませんでした

 

3.営業研修に置き換えてみると、どうなるか?

 

だとすると、良い営業研修にするためには、どういうカリキュラムにすると良いのか?

 

たとえば営業研修の場合、

インプットにあたるのは以下のような要素です:

  •  講師による座学(営業理論やトークのポイント解説)
  •  講師によるセールス実演を見せる
  •  実際に他社で使われている営業ツールの実物を回覧する。
    (実物を手にすることで触覚刺激もある)

 

これらは必要なインプットですが、インプットだけで終わってしまうと、「わかったつもり」で終わることが多く、実際の営業現場では使えないこともあります。

 

そこで重要になるのがアウトプットの設計です。

たとえば:

  • ロールプレイ(ロープレ):実際の営業シーンを模した役割演技の練習
  • 学びの情報交換:ペアやグループで、今日学んだことの感想シェア、気づきの共有
  • 実務への落とし込みシート:学んだことを「明日使うツール」を制作してみる
  • フィードバックを受ける機会:同じ研修に参加している仲間から意見をもらうことでさらに定着

 

このように、アウトプットの種類を増やすことで、研修の効果は何倍にもなるのかも知れません。

 

4.効果的な研修にするための「まとめ」

 

効果的な研修に必要なのは、「知識を教える」だけでなく、その知識を使えるようにする研修の仕組みなのだろうと思います。

わかりやすい研修であること、それは大事なのだと思います。

しかし、それだけでは足らないと思います。

 

その鍵を握るのは、「アウトプットの比率を高める」というのが1つあると思います。

 

営業研修の受講者自身が、
「自分の言葉で話す・行動に変えるという体験」をすることで、
初めて研修が“知識の定着”から“行動の変化”につながると考えます。

 

こういう事を意識しながら、今後も営業研修を組み立て、講師をしていきます。

 

 

佐藤