営業管理を行うメリットとは? 7つの管理と効率的な管理方法を紹介

 

株式会社マーケティング・トルネードの佐藤です。
マーケティング分野や、セールス分野の経営コンサルタントをしていると、よく質問されることがあります。

「営業の成果をさらにアップしたい」
「営業活動に力を入れるために、業務の効率を良くしたい」
これらの課題を解決するためには、「営業管理」が必要不可欠です。

本記事では、営業管理を行うことのメリットと、管理すべき7つの項目、そして効率的に管理するための方法・ツールについてご紹介します。

 

 

目次

 

【関連キーワード:KPI、営業プロセス、営業マネジメント、営業管理、営業組織】

 

 

この記事の執筆者プロフィール

株式会社マーケティング・トルネード 代表取締役
佐藤 昌弘

経営コンサルタント、研修講師
京都大学経営管理大学院元講師、岐阜大学大学院元非常勤講師
愛知県出身、京都大学工学部卒。地元都市ガス会社を脱サラ後、住宅リフォーム会社を創業。3年で年商3億円に成長後バイアウト。2002年株式会社マーケティング・トルネード創業。年商数百万円の個人事業者から一部上場企業まで、中小企業を中心に、累計5000件以上のコンサルティングを実施。心理学を応用した独自の営業トーク研修は好評。
(著書)
凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストークシュガーマンのマーケティング30の法則(監訳)儲かる営業力見るだけノート、最高の営業デビューなど、計28冊。
出版累計80万部を超える。

「営業管理」とは?

営業管理という言葉を、正しく理解することも大事なので、まずは箇条書きで説明してみます。

  • 営業上の計画数字を大きく下回ったりしないように、営業組織や、営業活動の全体を、合理的に、効率的に運営すること。
  • 営業という仕事が円滑に運ぶように、営業に関連する事務処理をうまくやれるように運用すること
  • 営業ツールなどが効果的であるように制作・改善・維持をすること。
  • 営業効率を高めるために、営業に関する予測・計画・運営などをすること。

営業を「管理する」という言葉の意味からすると、上記のようになります。

 

しかし、こういった書き方だと、具体的に何をすればいいか、わかりにくい。

そこで、もう少しわかりやすく、具体的に書き換えてみると、、、

  1. 売上の目標数字をつくること
  2. 顧客情報を正確に保存し、活用できるようにしておく
  3. 営業案件がどのような状況にあるか確認できるようにしておくこと
  4. 実行計画をたて、それを行動させること
  5. 営業担当者のモチベーションが下がらないように工夫する
  6. 年間スケジュールが守られるようにすること
  7. 営業上のコツ・ノウハウなどの知識を共有できるようにすること

 

これが言葉の定義上の「営業管理」だということになります。

 

営業組織をまとめあげるリーダーという仕事は、少なくとも、上記の7つを仕事にするということになります。

これは企業にとって、重大な責任を伴うからこそ、とても重要な仕事と言えます。

 

 

 

どうして「営業管理」なんて必要になるのか?

営業管理というのは、どうして必要になるのでしょうか?

会社が大きくなっていくプロセスに沿って考えてみましょう。

 

◆家業時代の営業管理

会社というのは、創業者がいます。
会社を創業した頃というのは、最初は社長が営業マンであることがほとんどです。

この頃に、営業管理という仕事はすでに始まっています。

しかし、すべては創業者の頭のなかで完結している状態です。

◆実業時代の営業管理

そうやって会社は徐々に安定していきます。

そうすると、さらなる成長を目指す社長は、新しく営業担当者を数人雇います。

そうやって、だんだん営業担当者が増えていくのです。

 

ところが、この段階では、まだ「営業担当者という、個人商店の寄せ集め」のような感じのチームだと言えます。

各自が異なる営業スタイルを持ち、各自がそれぞれ違うツールを使い、得意とする顧客タイプも違うし、新規を追いかける営業パーソンもいれば、既存客ばかりを追う営業パーソンもいます。

優れた成績のやり手の営業もいるし、成績がパっとしない営業もいます。
もちろん、営業担当者をゼロから戦力化していくための教育制度も整備されていません。

新人さんの営業担当者が入社してきたとしても、先輩営業さんにくっついて、「先輩の背中を見て営業を学ぶ」のが教育だったりします。

つまりこの段階では、教育・トレーニングの仕組みなんて無いのです。

 

この段階は、混沌とした「営業担当者という個人商店の集まり」という営業チームです。

チームとも言えないかも知れません。

最初は、そうした「営業担当者という人の集まり」が出来上がっていくのです。

◆実業から成長企業へ脱皮するために必要な営業管理

こうして、この段階からさらに成長を続けたい場合、社長は「決心」をしなければなりません。

それは、しっかりとした「営業組織」としての運営をつくるという決心です。
さらに、同時に、組織を運営するリーダーを専任するという決心です。

 

当然ながら、リーダーは、営業組織を管理していくことになります。

こうして「営業管理」というのが必要となってくるわけです。

 

営業管理を行う3つのメリット

次に、「営業管理」を行うことで得られる3つのメリットを紹介します。

 

メリット① 目標や情報の「見える化」

営業管理を行うことの最大のメリットは、営業部門として掲げる目標や情報を可視化できることです。

営業職は、目指すべき目標が明確になっていると、その目標を達成するための具体的な計画が立てやすくなります。目標達成に向けて進捗状況を把握することもでき、進捗の遅れや課題に素早く気付いて必要な調整をすることも可能です。

 

メリット② 業務の効率化が図れる

案件や商談などの情報が誰にでもわかるようにまとまっていることで、チーム全体での情報共有がしやすくなることも、営業管理の大きなメリットです。情報を一元管理することで、最新の情報にアクセスしやすくなり、情報を探す手間を省き、業務の効率化につながります。

情報の不足から起こるチーム内での誤解やトラブルも軽減し、メンバー間での協力や助言も得やすくなることでしょう。

 

メリット③ 営業ナレッジの共有がしやすい

営業管理を行うことで、企業や営業担当者が積み重ねてきた経験や知識といった営業ナレッジを、チーム内で共有しやすくなります。これにより、過去の成功事例や失敗から学ぶことができると同時に、特定の担当者に依存する形の属人化を防ぐこともできます。

 

属人化の解消は、企業にとっても重要な課題です。顧客の情報や商談プロセスを、特定の個人のみが把握している場合、担当者の退職や休暇の際、業務に大きな影響が生じかねません。

営業管理はこういったリスクを回避し、チーム全体の一貫性を保つ重要な業務です。

 

 

営業管理の具体的な解説

 

では、いよいよ、このコラムの冒頭でご紹介した、

  1. 売上の目標数字をつくること
  2. 顧客情報を正確に保存し、活用できるようにしておく
  3. 営業案件がどのような状況にあるか確認できるようにしておくこと
  4. 実行計画をたて、それを行動させること
  5. 営業担当者のモチベーションが下がらないように工夫する
  6. 年間スケジュールが守られるようにすること
  7. 営業上のコツ・ノウハウなどの知識を共有できるようにすること

 

上記7つの項目について、ひとつずつ解説していきましょう。

 

 

1.売上の目標数字をつくる

企業の売上目標というのは、いろんな決め方があります。
「去年と比べて●パーセントアップ」という決め方もあるでしょう。
「市場シェア●位」というのを目標値にする会社もあります。
「ライバル企業の売上を超える」のを目標にしている会社だってあるし、

「採算分岐点を売上目標にする」ことだってあるでしょう。
なかには、「売上目標は作らない」という会社も存在しています。

 

これらは、戦略的に決めることが多いものです。

 

そして、戦略的に決定された会社全体の売上目標を、さらに、細かく分解して、具体的な目標数値としていくのが一般的です。

 

言い換えれば、営業組織のリーダーが「営業管理」という仕事をする上で決定するのは、「自分に与えられた部門売上の目標値」であることが多いようです。

 

◆2.顧客管理(顧客情報を正確に保存し、活用できるようにしておく)

顧客管理は、営業管理の中に含まれます。

顧客管理とは、「収集した顧客情報を管理する」ことです。

顧客情報というのは、資料請求をしてくれた見込み客の情報だったり、自社商品・サービスを購入してくれたユーザーの情報だったりします。

 

マーケティング分析に活用したり、お得意様キャンペーンの案内送付リストを作成するのに活用したり、顧客の担当者の人事異動があればデータを更新したりします。

相手が見込み客であれ、既存客であれ、お得意様客であれ、再接触を試みるためには、顧客情報が一元管理されていなければなりません。

だからこそ、顧客管理は、非常に重要なことなのです。

◆3.営業案件がどんな状況か確認できる(案件管理)

一般的に、営業活動は、いくつかの段階にわかれて進んでいきます。

例えば法人営業の会社で、ホームページから新規問合せが入ったとします。

・問合せ段階

・初回訪問とヒアリング段階

・商品提案と見積書提出の段階

・顧客からの検討結果の連絡がある段階

・再度の訪問と打合せの段階

・再提案と見積書再提出の段階

・契約締結の段階

・初回納品の段階

・リピート発注への働きかけ・・・

(以降、もっとつづく)

と、このような段階プロセスに分割することが出来ます。

 

営業マネージャーは、各営業担当者が、それぞれが抱えている案件について、その営業上の進捗状況を、一元管理することが必要です。それが案件管理です。

案件管理をパソコン上で、出来るソフトウェアが、案件管理システムなどと呼ばれています。

上記の、顧客管理システムと案件管理システムを連携させて活用している企業も少なくありません。

◆4.実行計画をたて、それを実践させること

 

目標が定まれば、次は、目標を達成するために必要になること見積もり、計画を立てて、実行していくということになります。
この計画と、実行は、分割して考えることは出来ません。

なぜなら、計画と行動は、相互に影響し合うからです。

例えば、何かを実践すれば、計画通りに進まないことがわかり、計画を調整し、実践に戻る。

その繰り返しは、連続的に行われることが多いのです。

 

(計画と実践のサンプル例)

例えば、とある美容院の計画と実践のサンプル例を御覧いただきましょう。

まず最初に、大きな売上目標(月商300万円)をブレイクダウンして、小さな目標にします。

・白髪染めの売上で80万円

・カット&トリートメントで180万円

・店頭販売品の売上で10万円

・カラーで30万円

という小さな目標にブレイクダウンしたとしましょう。

これらの小さな目標を達成するために、

白髪染め(80万円目標)については地域のミニコミ新聞に、「カット&白髪染めでタクシーでご来店の方は、往復500円×2=1000円割引」という広告を6万円で出稿し、約12件の新規顧客を集客する計画。さらにその12件の新規顧客の約7割をリピート化するという計画です。

それに既存客からの売上を確保するためには定期発行物で接触を維持するという計画も立案しました。

◆次に、カット&トリートメント(180万円)は地域ポスティングと、最寄り駅での手渡しチラシ、さらにはスマホサイトからの新規問い合わせ予約を増やし、・・・・(以下略)・・・
と、非常に具体的な実行計画を作ります。

ここで、スマホサイトからの来店数を計測できるように、「予約コード Aー●●」という記号を、広告の電話番号の横に記載しておきます。
そうすることで、「ご予約ありがとうございます。ホームページの電話番号の下に、ローマ字のAから始まる予約コードが書かれていると思うのですが、教えて頂けますか?」
と電話口で計測することが可能になります。

 

これこそが、計画と実践と、数値の監視なのです。

こうした仕掛けを準備しておかなければ、次のプロセスの「監視」が出来ないからです。

 

こうした例であっても、スマホサイトからの問い合わせ数は、計画通りにならないことのほうが多いです。

そうすれば、計測とほぼ同時に、スマホサイトを修正しながら、また運用へ戻るということになります。

 

 

これらの計測項目のことを、KPIと呼ぶこともあります。
KPIは、「Key Performance Indicator」の各頭文字を取ったアクロニム造語です。

要するに、「この数値は、業績を評価するうえで、とても重要な数値だ」と考えられる数値指標のことをKPIと呼んでいます。例えば、『来店客1組を来店させるために費やした広告宣伝費用』は分譲住宅を販売している不動産会社にとって重要な数値指標なので、KPIと言えるでしょう。
なお、KPIは、日本語では「重要な業績評価指標」と翻訳することが出来ます。

(地域気象観測システムの、AMEDASアメダスは、Automated meteorological data acquisition systemのアクロニム造語です)

 

KPIの活用について、下記に少し詳しく説明してみます。

 

KPIの活用:計画が合理的・効率的に実践されているか監視すること

上記のように計画を建てたら、その計画がたしかに実行されているかどうか、効果的に運営されているかどうかを常に監視します。

 

よく監視対象とするポイントは、
◆見込み客を開拓する広告(チラシ、新聞広告、DM、看板・・・)による見込み客数とそのコスト

 例えば、不動産会社であれば、「マンションモデルハウスに来場する見込み客を1組獲得するためにかかるチラシのコスト」が、監視対象となります。

◆見込み客が営業マンの目の前に現れて、個人情報が何件獲得できたかのパフォーマンス

 例えば、展示会での当社ブースに立ち寄った見込み客数が100名だったとして、そのなかで名刺交換をしてくれた人が80人だったとすれば、ここは80%という数字です。
例えば、モデルハウスに来場してくれた顧客が100組で、アンケートに記入してくれた顧客が98組であれば、98%という数字です。

◆セールス活動は、部分に分解してKPIを設定する。

セールス活動は、「見込み客100人を、どれだけ成約することが出来たか?」という成約率を管理することが多いのですが、それだけでは足りません。
次のアポイントへつながった確率
見積書を提出した確率
仮クロージングできた確率
デモンストレーションをした確率
など、セールス活動を出来るだけ細かく分割した、各ステップ毎にKPIを設定すると良いでしょう。

 

重要:KPIを設定する意義

そもそも、こうしてKPIを設定するということは、すなわち計測ポイントが固定されることになり、営業のプロセスを標準化することになります。

よく、「売上目標が、なかなか達成できない」とか、「目標が絵に書いた餅に終わる」と嘆くリーダーがいます。
そうなってしまう理由は、営業マンが、大きな目標数値だけしか理解せず、具体的に何をすれば良いのかよくわからないまま仕事をするために、未達成になってしまうというのが原因として挙げられます。

※例えば、「夏までに8キロ痩せるぞ!」と目標を決めたは良いが、具体的に、どのように実践するかは各自に任されてしまうために、目標未達成になる確率が高くなるというのと同じです。それを細かくブレイクダウンされたKPIを設定して監視されることで達成率が上がるというわけです。

だからこそ、営業マンを集めて、全員で、「どのようなKPIを設定すべきか?」と議論とすり合わせをしていくことが重要なのです。

 

※KPIという用語について

このKPIという用語は、昨今になってよく使われるようになりました。
1961年のハーバード・ビジネス・レビューに掲載されたロナルド・ダニエル氏の記事が源流だという情報もあります。
また、別の論文では、KPI活用の起源は、古くは、20世紀初頭には、デュポン社が投資利益率を展開したチャート・システムにさかのぼるとも言われています。
(正しい情報の裏付けが取れたら更新しますが、今のところは、あやふやです)

いずれにせよ、こうして、監視をしていくのです。

 

実行計画どおりに進まなければ、柔軟にやり方を変更する

 

上記のような、計測・監視をすることによって、
◆顧客ターゲットを変えるべきか?絞るべきか?ずらすべきか?の判断材料が得られます。

◆集客ルートとなる媒体、コピー、オファー、スマホとの連携をどのようにすべきか考えることが出来ます
◆過度な数値計測をしていないか?の検証が出来ます。例えば、電話をかけた本数など報告させても同じ結果なのに、不要な報告をさせていないか?などです。
◆セールスの各段階が弱いのかがわかります。その結果、どの営業プロセスのロールプレイング練習をやらせるべきか?が決定されます。
◆1件の契約を獲得するために、いくらまでの費用をかけるべきか?を変更できます。

◆利益率が下がっている原因をつきとめられます。

 

だからこそ、適切な軌道修正や、改善アドバイスのヒントが得られるわけです。

こうやって、営業管理という仕事をしていくことになります。

 

5.営業担当者のモチベーションを管理

この項目で紹介する「モチベーション管理」を、果たして営業管理のなかに入れて良いかどうかはわかりません。

しかし、営業という仕事に限らず、どのような職業であっても、「やる気」が下がれば、仕事の成果は半減してしまいます。

スポーツ選手でもモチベーション管理は大事ですし、芸術家でも、芸能人でも、「やる気」の管理は非常に大事なことです。

 

実は、モチベーションには大きく2種類あります。

●生理的モチベーション

これは、お腹が空いた時の食欲、睡眠欲、排泄したい気持ち、身体に怪我をしたら動きたくない気持ちなどが生理的モチベーションです。ただ、これらが仕事に活用されることは、ほとんどありません。

●社会的モチベーション

これは、心の内側から湧き上がってくる内的モチベーションと、賞罰や義務のような外部から与えられる外的モチベーションにわかれます。

一般的には内的モチベーションが最高のように言われますが、実際には、『義務感』こそが、仕事においては最もやる気を刺激すると言われています。

 

こうした、『やる気』を失わせず、刺激するような試みについてもマネージャーの仕事であると言われることもあります。

 

6.年間スケジュールが守られるようにすること

これは、文字通りスケジュール管理についてです。

計画どおりに進捗していれば問題ありませんが、計画に遅延が発生している場合には、どうにか対策を取らないといけません。

スケジュールの立て方にはいくつかあります。

有名なのは、

A.逆算型スケジューリング

これは期限から逆算して、ブレイクダウンしながらスケジュールを組んでいく方法

B.積算型スケジューリング

これは細かいスケジュールを積み上げていって、大きなスケジュールへと計画していきます。

これらは、どちらかを採用するのではなく、A.とB.を両方つかいながらスケジュールしていくのが良いとされています。

 

7.営業上のコツ・ノウハウなどの知識を共有できるようにすること

最後の管理項目は、「コツ・ノウハウ」の共有化です。

営業担当者が意外に答えられない質問を紹介します。

それは、

『あなたの担当顧客A社のことで、A社に限って聞きます。他にも競合があるのに、何と、何が良くて弊社に注文し続けてくれていますか?』

という質問です。

これは、売れている理由なのです。

こうした売れている理由を、営業担当者が情報として共有することは大変大事なことです。

明日からは、それをアピールすればいいからです。

 

効率的な営業管理方法とは?それぞれの特徴と主な機能

次に、営業管理の方法・ツールについて解説します。

営業管理は、ツールを活用することで業務の効率化が大幅に向上します。

 

営業管理で活用されているのは、主に以下の4つのツールです。

  • エクセル(Excel)
  • SFA(営業支援システム)
  • CRM(顧客関係管理)
  • MA(マーケティングオートメーション)

 

それぞれのメリットや機能について解説します。

 

エクセル(Excel)や、Googleスプレッドシート

最も導入しやすい方法として、エクセルやGoogleスプレッドシートを用いた管理法が挙げられます。

限られた項目や、小規模、短期間の管理であれば、エクセルでも十分に管理が可能でしょう。

ただし、場合によってはデメリットが生じることもあるため、合わせてお伝えします。

 

◆エクセルやGoogleスプレッドシートで管理するメリット・デメリット

<メリット>

これらのツールは多くの企業で導入されており、特にエクセルは幅広い年齢層に馴染みのある表計算ソフトです。そのためシステム導入のコストがかからず、操作方法を指導する手間も省けます。

 

エクセルでは、もともと内臓されているテンプレートや、インターネット上で無料で配布されているテンプレートを活用することも可能です。それらのテンプレートをもとにカスタマイズして、オリジナルの管理ファイルが簡単に作成できる点も、メリットの一つです。

 

<デメリット>

エクセルは、データを整理するための独立した表計算ソフトです。そのため、他のシステムやアプリケーションとの連携が難しく、手動でデータを入力したり抽出したりする必要があります。

部署やチームごとで独自のファイルを運用している場合、データの統合に時間と手間がかかってしまったりもします。

例えば、営業チームと、広告チームが、それぞれ成績管理をしていて、会社のなかで2重に入力していることがよくあります。

 

またエクセルは、高度なカスタマイズが可能な反面、個々のユーザーが独自の方法でデータを管理するなど、データ管理の属人化を招く恐れがある点も注意が必要です。

エクセルは、小規模なデータ管理や単純なタスク管理には適していますが、複雑なプロセスや大規模なデータ管理が必要となる営業管理には、専用のツールを検討する必要があります。

 

 

 

SFA(営業支援システム)

SFAは「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略語で、営業活動を効率化し、売上拡大を支援するための「営業支援システムツール」です。

顧客情報の管理や商談のプロセス管理などができ、営業業務を仕組み化して効率化を図ることができます。

<SFAで管理できる項目>

  • 顧客データ管理
  • 案件情報管理
  • 商談情報の進捗管理
  • 営業行動の管理、サポート機能
  • 受注や売上の管理

 

SFAは、データを収集し分析も行います。蓄積されたデータを活用することで、顧客ニーズを効果的に満たすための戦略的な計画を立てることが可能です。

また、SFAの活用で情報が的確に管理されることにより、顧客からの問い合わせやニーズに迅速に対応でき、サービスの質や顧客満足度の向上も期待できます。

CRM(顧客関係管理)

CRMは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略語で、顧客情報を一元管理することで顧客との関係性を管理する「顧客関係管理ツール」です。

顧客の基本情報や購買履歴、商談・電話応対などのコミュニケーションの履歴といった詳細な情報を集めて管理し、営業活動やマーケティングに活用します。

 

<CRMで管理できる項目>

  • 顧客の基本情報管理
  • 購買履歴管理
  • コミュニケーション履歴の管理

 

CRMの活用で、顧客情報に即アクセスでき、その顧客の主担当でない人でも個々の顧客に合わせたサービス対応ができます。そのため、一貫性のある顧客対応が可能になると同時に、顧客との信頼関係の構築をサポートし、長期的なリピーターとなる顧客の獲得にも貢献します。元々の主担当者が何らかの理由で離職したときにも、業務品質を落とさずその顧客へのサポートを継続できる点は、属人化を防ぐという意味で非常に重要です。

 

さらに蓄積した顧客情報をもとに、データを分析して見込み客の特定や戦略的なアプローチを計画することも可能です。

CRMは、営業活動の効率化や顧客満足度の向上だけでなく、顧客獲得のプロセス全体のサポートに活用されます。

 

MA(マーケティングオートメーション)

MAは「Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)」の略語で、マーケティング活動の一部を自動化し、効率的なマーケティング活動を実現するためのデジタルツールです。

MAを活用することで、閲覧ページの情報や、顧客の年齢・職業といった属性情報などを収集し、見込み客の行動データを追跡して分析できます。

 

◆MAの機能

近年、情報化社会の加速により、顧客が自らさまざまな情報を入手できるようになり、顧客の選択肢を広げました。そのため企業は、競合他社に対抗して市場での競争力を維持するために、顧客に対するアプローチや価値提供を多様化する必要が生じています。さらに顧客一人ひとりに対して、個別のニーズに対応したアプローチをするために、より的確な情報を適切なタイミングで届けることが求められるようになりました。

膨大で多彩な顧客情報の収集や分析には、MAの活用が不可欠です。

 

たとえばBtoB(法人向けビジネス)では、企業が商品を購入するまでの期間が長く、顧客が決裁するまでに関わる担当者が多くなることが特徴です。そのため、電話や商談などの営業活動の回数も多くなる傾向があり、丁寧な営業をより効率よく進めることができるツールが必要になります。

 

一方のBtoC(一般消費者向けビジネス)では、見込み客の多さが大きな特徴です。そのため、管理するデータ数も膨大なものとなります。それぞれの顧客の行動パターンを分析し、顧客の興味・関心に合わせてカスタマイズされたアプローチを可能とする機能が備わっていることが重要です。

 

◆CRMとMAの違い

CRM(顧客関係管理システム)とMA(マーケティング活動自動化システム)は、顧客情報の管理と活用を進めるためのシステムですが、それぞれ顧客情報の活用方法が異なります。

 

CRMは、主に顧客情報を的確に管理するためのシステムです。営業活動や顧客対応を効率化するツールで、営業やカスタマーサポートで活用されています。顧客データや取引履歴、コミュニケーション履歴などを活用し、個別の顧客との関係を強化することに焦点を当てています。

 

一方MAは、主に顧客情報を活かした効果的なマーケティングを行うためのシステムです。マーケティング活動を自動化し、見込み客の創出から育成、契約成立にいたるまでのプロセスを支援します。

 

つまり、CRMは既存の顧客との関係管理に焦点を当てているシステムで、MAは新たな顧客獲得と育成、効果的なマーケティング活動の実行に焦点を当てているシステムです。

一般的に企業では、両方を統合して、顧客との継続的な関係性の構築に役立てています。

 

優れた上司になるための学びに、終わりは無い

いかがでしょうか?

営業管理とは、本当に様々な項目があります。

大変な仕事なのです。

 

簡単でシンプルな仕事ではありません。

それも当然です。

部下は人間で、機械ではありません。
ですから、KPI設定がどれだけ上手でも、アドバイス内容が合理的であったとしても、そこには、「対人関係というマネジメント」という要素が必要とされます。
モチベーションを上げたり、
スキル指導をしたり、
営業ツールを一緒に考えたり、
人間関係の悩みを聞いてあげたり・・・

リーダーの仕事は、奥深く、まるで終わりが見えません。

 

野球やサッカーなどのスポーツチームが優勝すると、その監督にスポットライトが当たることがあります。
優勝チームまで育てた名監督は、どのような育成ノウハウや手法、やり方をしているのか?それを知りたくなるからです。

しかし、その一方で、選手時代は大活躍をした人であっても、名コーチ、名監督になれるとは限りません。
メジャーリーグの野球選手でも、ボクシング世界チャンピオンでも、ハリウッドの名俳優であっても、彼らがみな、名指導者になれるとは限りません。

 

ビジネス分野で言うならば、「上司という仕事」がそれにあたります。

会社のなかで名プレイヤーとして、それなりに活躍したからこそ、「上司」に昇進することが出来ます。

しかし、そうだからといって、「優れた上司」になれるとは限らないのです。

 

それでも、営業管理という仕事は、企業にとって非常に重要な仕事なのです。

上司として、対人関係スキル、コミュニケーション、共感能力、感情コントロール、ストレスへの対処力など、さまざまな対処する能力が求められます

 

優れた上司になるというのは、本当に奥が深く、果てしない道であり、学びが続きます。

 

このコラムも、そのひとつとして役立てば幸いです。

 

 

 

執筆者:株式会社マーケティング・トルネード 代表取締役 佐藤昌弘

 

 

 

 

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