【初心者必見!】チラシをデザインする際の基本とコツを紹介
2024年01月30日
広告と言えば、インターネットやSNS広告などがメインになってきています。
しかし、顧客ターゲットによっては、折込チラシは、まだまだ有効です。
ところが、このチラシ作りは簡単そうに見えて、難しいのです。
「自分でチラシを作ってみたいけれど、うまくできるだろうか?」
「何を参考にしてチラシのデザインイメージを考えればよいのだろう?」
このような悩みをお持ちのマーケティング担当者は多いのではないでしょうか。
チラシと一口に言っても、さまざまな作り方やフォーマット、テーマなどがあるので何から始めていいのか迷ってしまいますよね。
ノウハウを知らずに自己流でチラシを作っても、読みづらかったりターゲットに合っていなかったりして、思ったような効果が得られないことはよくあります。
時間をかけて取り組む制作物がムダにならないためにも、まずはチラシ作りの基礎を把握しておくことが大切です。
本記事では、初めてチラシを作成する際に知っておきたいデザインの基本やコツを詳しく紹介します。
集客のためのチラシだけでなく、社内で使用するプレゼン資料作りにも役立つポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【執筆者プロフィール】
佐藤 昌弘(さとう まさひろ)
株式会社マーケティング・トルネード代表取締役。
1968年生まれ。愛知県出身。京都大学工学部卒業。
地元大手都市ガス会社を退職後、住宅リフォーム会社を創業し、2001年まで3年半経営した後、年商3億円超で売却。
2002年、株式会社マーケティング・トルネード設立。
個人事業主様から年商3兆円超の上場企業まで、研修やコンサルティングを提供。
コツを知る前に!まずはチラシデザインの基本から
チラシを見てもらえるかどうかは、第一印象で決まります。
作り方のコツを知る前に、まずはデザインの基本について知っておきましょう。
デザインについて考える際には、以下の2項目を意識してみてください。
- 顧客ターゲット&オファーを明確にする
- レイアウトの基本を知る
チラシだけでなく、さまざまな資料作成やWebページの構成などにも共通する要素なので、ぜひおさえておきましょう。
顧客ターゲット&オファーを明確にする
チラシデザインのファーストステップは「顧客ターゲット&オファーを明確にする」ことです。
このチラシは、どのような客層に伝えたいのか?その客層はどのような属性なのかを綿密にリサーチします。
「なんとなく可愛いから」といったふんわりとした理由でチラシを作っても、目的とするターゲットに届きにくい場合がほとんどなのです。
例えば、『子ども向けの音楽教室のチラシ』を作るとします。
誰に向けて作るのでしょうか?
◆園児である我が子に、リズム感を育んで欲しいと思っている母親でしょうか?
◆園児である我が子に、音楽の作曲、作詞の才能があるとしたら、それを見出し、磨きをかけてあげたいと思っている両親でしょうか?
◆園児である我が子に、高学歴にしていくために右脳を発達させてあげたいと考える、児童教育に熱心なご両親でしょうか?
ターゲットが違えば、チラシのデザインも、体験教室というオファーも、なにもかも変わってくるのです。
ターゲットと目的の設定時は「5W2H」をベースに考えると分りやすいです。
- Who(だれが)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- HowTo(どのように)
- HowMuch(いくらで?どれぐらい?)
自分が情報を届けたいと思っている人に当てはめて、具体的にどのような提案をするのか、深掘りしてみましょう。
これらを書き出したうえで、適切なデザインの方向性やキャッチコピー、イメージ画像などを選択していきます。
目的やターゲットの絞り込みは大事な作業なので、何度も練り直しベストなものを見つけてみてください。
レイアウトの基本をおさえる
目的とターゲットが定まったら、レイアウトの基礎について確認しておきましょう。
覚えておくべきポイントは以下の4点です。
- 文字や図の位置を揃える
- 内容をわかりやすくまとめる
- 強調したい部分にメリハリをつける
- デザインに統一感をもたせる
そもそもレイアウトとは「何をどこに配置するか」を表す言葉です。
良い素材やキャッチコピーがあっても、配置がいまいちだと見る人の心を掴めません。
レイアウトする際の基礎的なポイントは、必ず抑えておきましょう。
文字や図の位置を揃える
レイアウトする際に文字や図の位置がバラバラだと、どこに注目すればよいのか分かりにくくなります。
何をメインに伝えたいのか分からないレイアウトは、良い反響を得られない可能性が高いでしょう。
それぞれの素材の端を揃えるだけでも、格段に見やすさがアップするので初心者の方は試してみてください。
また、位置が揃えられていることで整った印象を表せるので、企業間で使用する資料やスライドなどにオススメの配置です。
内容をわかりやすくまとめる
同じような内容をまとめてレイアウト(グループ化)することで、読みやすいデザインになります。
グループ化した内容同士を並べる場合、間にスペースを空けることで統一感を持たせつつ区別化もできます。
また、関連した情報に同じ色を使うのも良いでしょう。
文字の色や背景色を揃えておくと、同じ項目であることが直感的に分かりやすくなります。
強調したい部分にメリハリをつける
強調したい部分のフォントや色を変えたり、強弱をつけたりするとメリハリがついて目立ちます。
たとえば「期間限定」や「キャンペーン中」など、見てほしい文字を他の部分より大きくしておけば、チラシを受け取った人の目に留まりやすくなるでしょう。
ただし、やり過ぎるとどれが強調されているのか逆に分かりにくくなってしまうため、あくまで強調したい部分にのみメリハリを付けることを意識してください。
デザインに統一感をもたせる
素材として使用する背景やロゴ、フォントなどのデザインは統一感のあるものを選びましょう。
チラシのデザインは企業のブランディングにもつながるため、自社のイメージを上手に表現できているレイアウトであることが肝心です。
チラシや名刺など、何をデザインしても「〇〇社っぽい」と見た人に思ってもらえるようになれば、そのブランディングは成功です。
このようなイメージを抱いてもらえると知名度もあがりやすくなるため、営業活動や集客時にも効果的です。
チラシをデザインするときに知っておきたいコツ 7選
チラシのデザインの基本をおさえたら、次にデザインにおけるコツを紹介します。
これらを踏まえることで、ターゲットに届く効果的なチラシを作成できるようになります。
まずはこれらを実践することで、見た人に悪い意味での違和感を与えないチラシを作ってみてください。
- 一番伝えたい内容は上に配置
- メリハリのつけ方
- 動線を考えたレイアウト構成
- 余白を有効活用する
- 情報・文章を詰め込みすぎない
- 内容に適した色合い、フォントを選ぶ
- イラスト・写真を効果的に使う
このほかにもさまざまなコツはありますが、初心者の方はまずはこれら7つのポイントを覚えてみてください。
一番伝えたい内容は上に配置
チラシや資料、または雑誌や新聞を見る際に、下のほうから読み進める人はほとんどいません。
どのようなデザインであっても、上のほうから視線を動かしていく人が多いので、一番伝えたい内容はテイアウトの上部に配置しましょう。
特にプレゼン資料や説明書などの場合は、タイトルを上部につけておくと分かりやすくなります。
メリハリのつけ方
特に強調したい文字がある場合は、メリハリをつけてレイアウトしてみてください。
具体的な強調(装飾)には以下のようなものがあります。
- 文字の大きさを変える(ほかのものより大きくする)
- 太さを変える(太字で目立たせる)
- 文字の色を変える(強調したい部分のみ赤字にする)
- 字間・行間を変える(ほかと違う文字の並びだと自然と視線が集まる)
忘れてはならないのが、ベーシックな部分があるからこそ強調箇所が目立つということです。
装飾しすぎると肝心のメリハリがなくなってしまうので、バランスを大切にしましょう。
動線を考えたレイアウト構成
人間の「視線の動かし方」には一定法則性があり、ローマ字の「Z」の形で移動していくと言われています。
この法則を利用し、うまく視線を誘導して情報を与えるようにできると、チラシからの反響を得やすくなるでしょう。
目線が進むにつれて、少しずつ情報が深化していくのが理想的です。
具体例としては、以下のようなレイアウトにすると見る人が離脱せず、情報をキャッチしてくれます。
- 上部:商品名・サービス、イベント名などメインとなる情報
- 中部:上部内容に関する補足や詳細情報など
- 下部:問い合わせ先やクーポン情報など
視線の動きに合わせながら、ストーリーも意識したレイアウトにすると、見る人にとってストレスフリーな良いチラシになります。
余白を有効活用する
チラシのデザインを配置していると「このあたりが空白でさみしい……」と、つい画像や文字を入れすぎてしまうのはよくあるケースです。
文字や写真を枠ギリギリまで配置してしまうと読みづらくなってしまい、見た目もスッキリしません。
適度な余白を設けることで、読みやすさがアップし視認性を高められるでしょう。
例外として、緊迫感や圧迫感を伝えたい場合はあえて詰めるデザインを取り入れることもあります。
目的やシーンに応じて、適切な余白の取り方を検討しましょう。
情報・文章を詰め込みすぎない
余白を大切にすることとあわせて、掲載する内容も取捨選択することが重要です。
詰め込みすぎず、適度な文字量に抑えておくことで見やすいチラシが完成します。
そもそも、チラシに長い文章を書いたとしても、実は最後まで読んでもらえないことがほとんどです。
文字だけではなく写真やイラストを適宜用いて、見やすいレイアウトを目指しましょう。
内容に適した色合い・フォントを選ぶ
レイアウトの要素として、色合いとフォントは仕上がりに大きな影響を与えます。
チラシ全体の雰囲気がターゲットに適しているかどうかが重要で、これがマッチしていなければ訴求力が低下してしまいます。
よく利用されるフォントは「明朝系」と「ゴシック系」の2種類です。
2タイプのフォントを混ぜて使うことは避け、なるべく同一系統のフォントで揃えておくほうが無難です。
それぞれのフォントの特徴を以下にまとめました。
◆明朝体の特徴
明朝体(みんちょうたい)は、文字の形が判別しやすく正確に読みやすい文字体です。
線が細くやや軽めの印象なので、長い文章でも文字の密度が高くなりにくいことが特徴の一つです。
明朝体のイメージ:繊細、スマート、知的、優雅、大人っぽい、和風など
◆ゴシック体の特徴
ゴシック体は、明朝体に比べて線が太く、強めの印象を与える文字体です。
遠くからでも見やすい文字なので、チラシや店頭のポスターなどへの利用が向いています。
ゴシック体のイメージ:力強い、シンプル、目立つ、楽しい、カジュアルなど
イラスト・写真を効果的に使う
文字だけでなく、イラストや写真で視覚的にアプローチすることもコツのひとつです。
イラストや写真を用いることで、コンセプトが分かりやすくなったり、イメージが膨らみやすくなったりするメリットがあります。
文字だけだと圧迫感が出てしまう場合にも有効なので、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
◆イラストや写真をチラシに使用する際の注意点
自分が作成したイラストや撮影した写真以外は、原則として他人の著作物です。
チラシに使用する際は、使用条件や許可の取り方などを細かく確認するようにしてください。
チラシのデザインを参考にできるサイト
チラシデザインのイメージを膨らませるためには、参考になるサイトをチェックしてみましょう。
ただし、あくまでも「参考」とするだけに留め、そっくり同じように作成することは避けたてください。
真似して作成したものを成果物として世に出すと「著作権侵害」で訴えられる恐れがあるからです。あくまで、外部には公開しない自分の練習用として試作する分には問題ありません。
参考になるサイトを以下でまとめて紹介します。
パンフレット&チラシ見本帳
パンフレット、チラシ、カタログ、フリーペーパーなどの印刷物のデザイン見本サイト。
サイズやジャンルごとにタグが付けられており、絞り込み検索が可能です。
CHIRASAKU
デザイン会社による広告デザイン・印刷通販サイト。
鍼灸院やリフォーム、習い事など、業種ごとにチラシのデザインが掲載されています。
チラシの依頼背景、目的、印刷代などの見積もりが記載されているので、デザインを参考にするだけでなく外注する場合にもおすすめです。
Behance
Adobe社による公式ポートフォリオサイト。
世界中のデザインが見られますが、検索バーで「チラシ」「フライヤー」など日本語で検索すれば日本のチラシを表示できます。
FAJP
グラフィックデザインやフライヤー、チラシデザインに特化したサイト。
美術展や映画、舞台、音楽イベントなどのカルチャーに関するものが多く掲載されています。
チラシのメインカラーやデザインの系統、カテゴリなどが細かくタグ付けされていて、イメージに合うものを探せます。
デザイン性が高いチラシの参考例を探している人におすすめのサイトです。
チラシのデザインに使えるおすすめの無料テンプレートサイト
一からデザインやレイアウトを考えるのが難しい方には、テンプレートの利用がおすすめです。
ある程度完成されたひな型があれば、時間をかけずにチラシを作れるようになります。
テンプレートを利用しチラシ作成を繰り返し行えば、デザインやレイアウトのコツも理解しやすくなるでしょう。
以下では、手軽にチラシを作れる無料テンプレートを配布しているサイトをまとめました。
商用利用する際は、それぞれのサイトの利用規約を必ず確認してから利用するようにしましょう。
Microsoft Office 楽しもうOffice
Microsoft社によるOfficeソフトのテンプレート配布サイト。
「チラシ (飲食店用・忘年会)」「募集チラシ (求人・サークル)」など、利用者と用途が分りやすく記載されていて選びやすいです。
見出しの作成方法や、画像変更のやり方など細かい説明も記載されています。
Officeソフトでデザイン作成をしたことのない、初心者の方にもおすすめのテンプレートです。
編集方法:PowerPoint、Word
Microsoft Office 楽しもうOffice
PIXTA
写真やイラストを販売しているPIXTAでも、テンプレートを提供しています。
PIXTAへの会員登録が必要ですが、登録すれば無料で豊富な種類のテンプレートが利用可能です。
カテゴリごとに細かく分けられており、さまざまなシーンに合わせて選べるようになっています。
ただしテンプレートデータには画像が挿入されていないため、PIXTAから画像を購入する必要があります。
※自分が撮影した画像や、描いたイラストで著作権上問題ないものであれば、PIXTA以外のデータを使用してもよい。
編集方法:PowerPoint
PIXTA
designAC
写真やイラストなどの無料ダウンロードサービスを展開している、ACワークスグループが運営するテンプレート配布サイト。
無料の会員登録が必要ですが、登録後は多種多様なテンプレートが利用できるようになります。
使用したいテンプレートを選択して、オンライン上で自由に編集可能なので、専用ソフトを持っていない人でも使いやすいサイトです。
系列サイトの写真素材やイラスト素材も簡単に挿入可能なので、スムーズにチラシ作成が行えます。
編集方法:オンライン
designAC
ラクスル オンラインデザイン
チラシやポスター、名刺など各種の印刷を請け負うラクスルのテンプレート配布サイト。
オンラインで編集、デザインができるのでPowerPoint、Wordなどの専用ソフトは不要です。
作成後にそのまま印刷発注が可能なので、紙媒体でチラシを作りたい人にとって便利なサービスです。
特に飲食店系のテンプレートが充実しており、特別な知識やスキルがなくても高クオリティなチラシが完成します。
編集方法:オンライン
ラクスル オンラインデザイン
【まとめ】デザインの基本とコツをおさえて、魅力的なチラシを作ろう
チラシを作成する際には、目的・ターゲットが明確になっていること、そしてレイアウトの基本知識をおさえていることが大切です。
さらに本記事で紹介したレイアウトやデザインのコツを踏まえることで、チラシの効果を最大限に発揮できるでしょう。
また、これらの知識はチラシだけでなくプレゼン資料の作成や、ホームページのレイアウト、店頭に掲示するPOPなどさまざまなデザインにも活用できます。
デザインやレイアウトのスキルを身につけるためには、繰り返し練習を行うことも重要です。
納得のいくデザインが作れるように、テンプレートや参考サイトなどを利用しながら少しずつチャレンジしてみましょう。
【執筆者】株式会社マーケティング・トルネード代表取締役 佐藤昌弘(執筆者プロフィール)
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